2. ボールカウント
基本
スコアブックには、ボールカウントを記録する欄と、打者走者の行動を記録する欄の二つがあります。しかし打者走者の記録する欄において、プロ野球式は、一般式とは記入方法が違います。
下の図を見てください。一般式では、一塁についての行動は右下に書きますね。しかしプロ野球式では、右上に一塁で起こった行動を書きます。
一般式 |
プロ野球式 |
また一般式のスコアブックは、記録欄を四つに区分するために、補助線が入っています。(稀に補助線がないこともある。)しかしプロ野球式のスコアブックは、記録欄に補助線は全くなく、白紙です。
参考に、一般式とプロ野球式を比較するために、サンプルを挙げます。一般式とプロ野球式の違いをなんとなくでいいからご覧ください。
ショートゴロでワンナウト
ライト越えのホームラン
ボールカウント
ボールカウントの欄は非常に小さいので、ボールカウントを記入するときは、なるべく小さく書いたほうがいいです。特にスコアブック自体が小さいときはなおさらです。ボールカウントが多すぎて、書ききれなくなったら、 欄外や裏に書く手もあります。
ボールカウントの記号は下の表のようになります。(もちろん公式記録員の場合。)
× | 見逃し |
● | ボール |
△ | ファウル |
空振り | |
バントの空振り | |
バントのファウル |
ちなみに公式記録では、ファウルボールの方向に関する記録は、ありません。つまり右方向であろうが、左方向であろうが、キャッチャー後ろのファウルであろうが、全部「ファウル」という言葉でひっくるめるのです。「そんなのつまらない」と思う方は、自分で記号を作るといいでしょう。
公式記録員は上の表のような記号を使っていますが、俺たちは公式記録員ではないので、記号は自由に使っても全然支障はありません。自分やチームが分かるように記録すればいいのです。「公式記録員はこのような記号を使うんだ。」と頭の隅にとめておいてください。
新聞記者の場合、「ピッチャーがどのような玉を投げるのか?どのコースに投げるのか?」を知りたいことが多いです。(新聞の記事ではピッチャーがハイライトになりやすいから。)その場合は、ボールカウントの記入に加えて、「どんな種類の投球が、どのコースで通ったか」を記録します。二重手間でかなり忙しいですが、下のように記録します。ストライクゾーンを九個のゾーンに分けて記録するのが普通です。
スコアブックの内容:一球目ボール、二球目ファウルの後、三球目はサードによるファウルフライ(三邪飛)でツーアウト。なお投球の種類は、一球目:ナックル、二球目:ストレート、三球目:カーブ。
プロ野球のチームのスコアラーは、球種やコースを記録するために、大掛かりや用紙を使って、記入しています。もちろん自分のチームと相手のチームを分析するためです。
ここまで記録すればかなり面白くなるに違いありません。しかしこれはあまりにも専門的過ぎます。プロ野球はプロですからこのくらい当然ですが、野球を楽しむだけなら、簡単な記入の方がオススメです。