慶応式スコアブックの特性

慶応式の特性は『合理的かつ簡潔に、必要な要素だけを記録する。』ことである。一般式と違って、よけいな要素や曖昧なことは排除する。バントヒットと普通のヒットの区別はない、フライとライナーの区別はつけないなど、一見いい加減に見える。

しかしそれは一般式に慣れているからに過ぎず、公式記録の集計のルールを見ると、集計上は『フライとライナーの区別』が分からなくても支障がない。(全部打数でカウントされるから。)ちなみに誰によるフライかは、ちゃんと書かないといけない。(刺殺や捕殺を記録するため。)つまるところ、フライかライナーを区別ことは、どうでも良いことになる。なぜ公式記録では、フライやライナーを数えないかというと、フライやライナーは定義が非常にあいまいで、スコアラーの趣向によって左右される恐れがあるからだ。定義があいまいだと、分析するときに支障が出るのは目に見えている。(この例はいくらでもあげることはできる。)

慶応式の記録法のメリットは、集計をするときに、ミスが少なくなることである。よけいな要素を排除することによって、一般式より記号がシンプルで、記号さえ慣れればすっきりして見やすくなる。早稲田式の方が、記号や記入法が視覚的で、わかりやすいメリットはあるが、視覚的にするがゆえに、よけいな情報も入り込んでしまい、慶応式よりも複雑になる。

慶応式には補助線(四つに分割する線)がない。これは非常に重要なことである。なぜなら凡退の場合、記入欄を全部使うことができるからである。ひとつ例を挙げよう。下の図は、ふたつとも『ショートゴロ』を表している。左が早稲田式の書き方で、右が慶応式の書き方だ。

早稲式と慶応式の比較(ショートゴロの例で)

早稲田式の場合、凡退が起こったとき、右下の欄に結果を記録する。他の欄は全部空白になる。(アウトになったら選手は、ベンチに戻るから、一塁以降の行動は起こしようがない。) それに対して慶応式は、一塁で起こった行動は、右上に書くのが原則である。しかし補助線がないので、凡退の場合、開いている欄を全部使える。図のように思いっきり大きな字で書けるというメリットがある。しかも凡退は大変よくあるケースである。記入する文字が大きくなり、集計がしやすくなる。

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