28 ラグナロク

神々はこの世の終わりを知っていた。アースガルドでは雄鶏グリンカムが、巨人の国では赤い雄鶏フィヤラルが、ヘルの館では赤茶けた雄鶏が鳴いている。冥府の前にいる狂犬ガルムは、遠吠えしている。

それから三冬、激しい戦いが雨のように続く。終わりを知らない戦い、剣の戯れは絶えず、血の洪水は激しくなるばかり。暴力が絶対の世界になり、家族や兄弟同士の争いは続き、姦淫は簡単にまかり通る。矛の時代、剣の時代、嵐の時代、狼の時代が続く。

やがて恐ろしい冬が訪れる。雪は激しく、風は強く、霧はひどく、太陽は全く役に立たなかった。このような冬が三回来たが、夏は一回も来ない。やがて狼が太陽と月を飲み込んでしまう。山は崩れ、大地は揺れ、樹木は枯れ、星は地に落ちる。

やがてロキを筆頭に、ヨルムンガルド、フェンリル、火の巨人スルト、ガルム、巨人たち、ニブルヘイムの住民たちが、神々の国アースガルドをめざしていた。虹の橋ビフレストは、ロキ一行が渡るとき、簡単に崩れてしまう。

ヘイムダルは立ち上がり、力いっぱいギャラルホルンを吹いた。神々は集合し、戦いの準備をした。そしてついに「最後の戦争」が始まった。

オーディンは大狼フェンリルと、トールは大蛇ヨルムンガルドと、ヘイムダルはロキと戦う。フレイは炎の巨人スルトと、チュールは狂犬ガルムと戦う。

フレイはスルトの戦いに破れてしまう。召使スキールニルに剣をやったから・・・。チュールとヘイムダルは相撃ちになる。トールは大蛇を倒すが、大蛇に吹きかけられた毒によって死んでしまう。オーディンは、フェンリルに飲まれてしまう。しかしオーディンの息子ヴィーザルがフェンリルを倒す。片足で下あごを踏みつけ、手で上あごを押さえて、口を引き裂いたのだ。

生き残ったスルトは、大地に炎の塊を投げつけ、全世界を焼き尽くす。アースガルドも、ミッドガルドも、ヨーツンヘイムも跡形も無くなくなってしまう。

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