水仙の花

エーコーはとても美しいニンフ(妖精)でした。エーコーは元気が良 くて、おしゃべりが好きで、みんなの人気者でした。しかし彼女はし ゃべりすぎると言う短所があり、今回の話ではそれが裏目に出ます。

ある日ゼウスは、ニンフと一緒に戯れていました。楽しい 桃色遊戯の始まりです。(オーディンも女好きだけど、ゼウス はもっと女好きである。)きゃぴきゃぴのニンフはゼウス好みで、エ ーコーも一緒にゼウスと遊んでいました。

しかしゼウスの妻ヘラは、ゼウスの浮気を見逃しませ ん。ものすごっく嫉妬深い性格のヘラ、彼女を敵に回すと大 変なことになります。そしてついにヘラはゼウスの浮気現場 を発見しました。

ニンフはビクビクしていました。とばっちりを食らう と大変だからです。いきなりエーコーが出てきて、ヘラと おしゃべりを始めました。エーコーはおしゃべりがうまく 、おしゃべりをしている間に他のニンフやゼウスを逃がそ うと考えたのです。

しかし、ヘラはその手には乗りません。ヘラの怒りの 矛先はエーコーに向けられました。「このおしゃべり娘め。お 前の舌を封じてやるよ。ただ返事はさせてやる。自分から話しか けることは、もうできないよ。」 これは大変です。エーコー は本当にそうなってしまいました。

ある日エーコーは、ナルキッソスという少年を見 ました。ナルキッソスは容姿端麗ウルトラ美男子です 。エーコーはもちろん一目ぼれです。話しかけたいが 、ヘラの罰でそれは出来ません。ああ早く私に話し かけて、エーコーはずっとそう思っていました。

しかし、チャンスがやってきます。エーコーは自分 の思いを伝えたが、理想の高いナルキソッスは、彼女を 冷たく突き放します。エーコーはあまりのショックで、 体がしぼんで、ついに肉体が無くなり山彦だけになって しまいました。カラオケの「エコー」の語源は、ここか ら来ています。

さてナルキソッスの冷たい態度は全く変わりません。何人 ものニンフがアタックしましたが、冷たくされます。とうとう 一人のニンフが「ちょっと美しいからって、なんなのよアイツ 。」と怒り、復讐の神にナルキソッスを懲らしめるように祈っ たのです。

ナルキソッスはそんなことも知らずに、ひとりで森の 中を歩いていました。しばらくすると、きれいに透き通 った泉を見つけました。そして彼はのどが渇き、手で水 をすくおうとしたところ・・・

なんとこの世のものとは思え ないほどのすいーとびゅーてぃふる少年が泉に映って いるではありませんか!!(自分) つい に彼は自分にほれてしまいました。「なんて素晴らし い少年なんだろう。わたしはこんな少年をみたことが ない。」

彼は鏡の少年に惚れてしまって、食べることも寝るこ とも出来ません。とうとう彼は、死んでしまいました。泉 には一本のすいせんの花が寂しそうに咲いていました。

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