2-7 その他の表色系

■ NCS

NCSはスウェーデン工業規格に制定されている表色系です。 外見はオストワルトシステムそっくりで、白色度,黒色度, クロマチックネス(色み,純色度)の三つの尺度で色を表示します。 オストワルトと違う点は、このシステムは混色系ではなく、顕色系で あることです。

すべての色は赤、黄、緑、青、白、黒の6原色からできてい ものと考え、それぞれの原色の構成比を0〜100の数値で表します。

w + s + y + r + b + g = 100

sは黒を指します。とくに w + s = 0 の場合を純色Cとします。 ただし色は、青と黄の両方を、赤と緑の両方を、同時に もつことはできません。

クロマチックc(= y + r + b + g )を使って表すと下 のようになります。純色はc=100、無彩色はc=0となります。

c + w + s = 100

色相:黄,赤,青,緑の基本四色相で色相環を四等分。

表示方法は黒色度s,クロマチックネスc,色相Φの順に 数値を列記して表します。

例えばあさぎ色は、「2060-B10G」と表します。 まず黒みが20、色みが60、白みが20であることが分かります。 次に色相に注目します。B10Gは色相が青と緑の間に ある色で、その色相は緑みが10%で青みがのこりの90%です。 色相は緑っぽい青であること分かります。色みが60、 青みが90%,緑みが10%なので、青みは54,緑みは6であること が分かります。

あさぎ色: 黒み:20 白み:20 青み:54 緑み:6

無彩色の場合は、黒色度,クロマチックネスの順に表します。 (例:7500)

■ DIN

DINは、産業界で利用しやすいように、オストワルトシス テムを顕色系に改良した、ドイツの 標準色彩体系です。色相T,飽和度S,暗度Dの三属性によって示されます。 明度でないところがポイントです。

色相:知覚的に等間隔に感じられるように設定されています。 色相は全部で24に分けられ、黄色の色相1ではじまり、黄 緑の色相24で終わる。

飽和度:無彩色を0とし、純度が増すにしたがって数値は 大きくなります。色票は1〜7までの七段階で、最明色(各色相において 最大の反射率と純度をもつ仮想的な色:オプティマルカラー)は7 とします。

暗度:理想的な黒の暗度を10、理想的な白の 暗度は0としています。また各色相の最明色の暗度 は0とします。色票は1〜8段階にわかれ、無彩色は 0.5刻みで16段階になっています。

色相T,飽和度S,暗度Dの順に12:6:5のように表記します。 無彩色で暗度が5の場合は0:0:5となります。

■ CHM

CHM(カラーハーモニーマニュアル)は、アメリカのコンテナー・ コーポレーション・オブ・アメリカから発売された色票集です。 現在は絶版廃止となっています。オストワルトシステムに基づき、 実用的改良が加えられています。

色相:基本的には24色相であるが、オストワルトシステムの色相に、 1 1/2, 6 1/2, 7 1/2, 12 1/2, 13 1/2, 24 1/2(帯分数)の6色相 を加えて、合計30色相になります。

グレースケール:オストワルトシステムの八段階(a,c,e,g,i,l,n,p) に「b,d,f,h,k,m,o」の七段階を加えた、15段階が色票になっています。

色の表示方法は、オストワルトシステムと全く同じです。色相,白色量, 黒色量の順番で表します。

この色票集は、各色票が六角形のプラスチックでできており、それぞれが 着脱でき、表面が光沢、裏面が無光沢になっています。バックもコンパクトで、 持ち運びしやすいです。今でも建築家やデザイナーの間で かなりのファンがいるようです。

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