2-5 PCCS

PCCS(Practical Color Coordinate System)は、日本色研 事業株式会社が1964年に作成したシステムです。 日本の教育界、産業界などで広く活用されています。 (主にデザインや美術)日本だけでなく、欧米の色彩 関係者の間でもけっこう知られているようです。

■ PCCSの構成

明度(Lightness)

明度は0〜10の範囲で、理想の白を10とし、理想の黒を0とします。 しかし実際に色票にできるのは、1.5〜9.5までの範囲です。 1.5 , 2 , 2.5 ・・・・・・・ 8.5 , 9 , 9.5と、 無彩色を明るさの度合いで17段階で分け、これを明度の基準 にしています。しかし実際には、17段階も必要ないので、通常は 9段階に分けたものを使います。ちなみに有彩色の明るさは、対応する おなじ明るさのグレイの明度数値で表すことができます。

彩度(Saturation)

飽和度とも呼びます。 彩度段階は、1s,2s,3s・・・・・9sと表し、九段階で表します。 もちろん無彩色は0sになりますが、表示する必要はありません。 9sがもっとも彩度が大きく、純色と呼ばれています。

マンセルシステムとは違い、どの色相でも最高彩度は9sです。

色相(Hue)

PCCSでは色相は24に分類しています。それぞれに一連の色相番号と 色相名をつけて識別しています。

PCCSの色相は以下のように分割されています。オストワルトシステムに 似ているけど、ちょっと複雑です。

1. 心理四原色(赤,黄,緑,青)を色相分割の基本にして、円周上に並べます。
2. この四色の心理補色をそれぞれの対向位置に置きます。
3. それぞれの色相の間隔が等しく見えるように、されに四色相を 加えて12色相に分割します。
4. この12色相の中間に色相を1つずつ加えて、24色相にします。

心理補色とは、ある色をしばらく見た後、白い紙などに眼を 移した場合に残像として現れる色をいいます。例えば赤い丸を見た後、 白い紙に目を写すと、青緑の残像が見えます。

手術室の部屋の壁色は青緑が使われています 。また手術衣も青緑です。手術をすると、必ず 赤い血がでます。医者は赤い血を見ながら手術します。このとき周りが 白い色をしていると、赤の心理補色である青緑の補色残像がはっきり見え、 目がちらついて疲れるのです。そこで周りを補色残像と同じ青緑にする よって、残像を吸収して、ちらつきをなくすことができるのです。

トーン(Tone)

トーンとは、色の調子を指し、明度と彩度の複 合概念です。トーンは「明るい」「うすい」「暗い」 などの形容詞を用いて表現します。明度と彩度をひとまとめにして、 直感的な色の印象を表したものが、トーンなのです。有彩色は、 三属性で表す代わりに、トーンを使えば、色相とトーンで 色を表すことができます。色を伝えるにあたって、 精度はかなり悪くなりますが、気軽に色を伝えることができます。 普段の生活ではトーンを使って色を表すほうがはるか に使い勝手がいいです。

色相(ヒュー)とトーンの二要素でまとめられた色の体 系のことを「ヒュートーンシステム」といいます。「トーン」は 、色相に関係なく共通の印象を持った色をひ とまとめにして、配色などに役に立てようと考えられたもので、 PCCSの特徴になっています。

■ 表示方法

色の三属性で表す場合

有彩色:「2:R-4.5-9s」
無彩色: 「n-5.5」

有彩色は「色相−明度−彩度」の順に三属性を明示して表します。 無彩色は数値の前にnを付して表します。(マンセルと違うことに 注意!マンセルはN−5.5と表す。)

トーンで表す場合

有彩色:「v2」
無彩色: 「W」 「Gy-5.5」 「Bk」

有彩色は「トーン記号−色相番号」の形です。白は「W」,黒は「Bk」, 灰色は明度の前にGyを付して表します。

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