2-3 マンセルシステム

マンセルシステムは、アメリカの画家&美術教師であるマンセル(1858-1918)が、 1905年に考えた表色系です。顕色系のシステムです。 色相,明度,彩度の三属性で、色を記号化して表現しま す。日本でもJIS(日本工業規格)に採用され、産業界で広く用いられています。

■ マンセルシステムの成立

現在、広く活用されているマンセルシステムの創始者 アルバート・マンセルは、アメリカの画家であり、美術教育者で ありました。彼はボストン出身で、マサチューセッツ美術学校で美術を 学んだ後、フランスに留学しました。フランスで研鑽を重ねて、高く評価され、 ローマに留学しました。その後に故郷ボストンに帰り、母校で色彩構成と 芸術解剖学の講師を担当し、1915年まで続きました。

彼が21才(1879年)のとき、当時評判がよかったO.ルードの「現在色彩学」を読んで、 彼の関心は絵画よりも色彩に向けられました。そして1905年にマンセルは、色彩球(色彩樹) として知られる色彩体系を考案しました。

彼の色彩球は、北極の位置が白で、南極の位置が黒であり、 赤道の位置には、各色相の中明度の有彩色が並んでいて、 北に行けば明るく、南にいけば暗くなっていくように考 えられました。これがマンセルの色彩体系化の試みで ありました。

1918年マンセルが世を去り、彼の友人や後継者たちがマンセル・カラー・ カンパニーを設立し、マンセルが目標とした「正確で客観的な 色の表示法の完成と普及」に努めました。

その後に1943年に、アメリカ光学会が、 マンセルシステムを改良しました。(どのように改良したか言うと ページがいくらあっても足りないんでカット)このシステムを 修正マンセルシステムと言い、現在マンセルシステムと言ったら、 このシステムを指します。

■ マンセルシステムの構成

マンセルシステムは、「色相」「明度」「彩度」の三属性を用いて色を表現します。 マンセルは、明度は美術用語のバリュー(value)、彩度には絵画用語の クロマ(chroma)を使っています。色相は英語のヒュー(hue)を使い ます。

色相(ヒュー)

色相(hue)は、色相差が等間隔に見える主要な五種類の色相 「赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)」と、 五種類の中間の色「黄赤(YR)、黄緑(GY)、青緑(BG)、 青紫(PB)、赤紫(RP)」を決め、10種類の色相としました。

マンセル色相

ちなみにどのように色相を決めたかは全くの謎です。ここで黄緑(GY)と青紫(PB) に注目すると、アルファベットと漢字の順序が逆になっています。色の検定で、 引っ掛け問題として出そうなので、注意が必要です。

10種類の色相が完成したら、各色相ごとに、0から10までの 目盛りを等間隔に振ります。(5の目盛りが真ん中になる) これによって100種類の色相が完成します。 (10色相×10目盛り=100)

色相が赤(R)の場合は、5Rは普通の赤だが、10Rは黄色っぽい赤、 1Rは紫っぽい赤になります。

下の図がマンセルの色相環です。通常は各色相の5と10を代表色とします。 (つまり色相環は20色相になる。)「マンセル色票集」や「JIS標準色票」 として発行されているものは、40色相になっています。各色相の「2.5」 「5」「7.5」「10」が色票化されています。(4×10=40)

マンセル色相環

明度(バリュー)

マンセル明度は0〜10の範囲で、理想の白を10とし、理想の黒を0とします。 しかし実際に色票にできるのは、1〜9.5までの範囲です。もちろん明度が高いと 明るい色になり、明度が小さいと暗い色になります。

彩度(クロマ)

彩度は色みの強さを指します。彩度の値が大きいと鮮やかな色になり、 値が小さいとくすんだ色になります。各色相において、もっとも彩度が 高い色を純色と呼びます。実際の色票(顔料)で表現できる彩度は、色相によって かなり違います。

表示方法

有彩色の場合は、「H V/C」と書きます。たとえば鮮やかな赤なら、「5R 5/14」 と書きます。口頭でマンセル記号を言うときは、「5R 5の14」と読みます。無彩色 の場合、下のように明度で表します大文字のNをはじめにつけます。

表示方法
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