1-7 色覚

■ ヤング−ヘルムホルム説(三色説)

ニュートンは、白色光はたくさんのスペクトルによって構成されて いることを発見したことから、人間の目の中にも、このスペクトル を処理する多くの光受容器があると考えていました。

しかしニュートンの考え方に反対して、ヤング&ヘルムホルツ は、多くのスペクトルから構成された光を処理するのは、 人間の目にある無数の光受容器ではなく、たった三種類の受容器だ けであると考えました。「赤,緑,青の三原色に反応する光受容器( 錐体)があり、これらの光受容器がどれくらい応答するするかに よって、感じる色が違う。」と考えたのです。

例えば黄色の物体を見た場合、赤細胞と緑細胞は強く 応答しているが、青細胞は殆ど応答しません。それらの情報 が脳に送られ、私たちは「黄色だ」と感じるのです。

この説を始めに考えたのがヤングで、そのあと50年を経て、 ヘルムホルツが発展させました。そのためこの説は、二人の名前を取 って、ヤング−ヘルムホルム説と呼ばれます。 また三種類の細胞があることから、三色説とも言います。

■ ヘリング説(反対色説)

ドイツの生理学者ヘリングは、1874年に反対色説を発表しました。 色の基本感覚として、「白−黒」「赤−緑」「黄−青」の三組の反対 色を仮定しました。この考えは次のような観察結果によって生まれました。。

「黄色は三色説によると、赤い光と緑の光の混色によ って生じるが、出来上がった黄色は、赤みも緑みも帯びていない。 黄色の感覚内容は、赤とも緑とも全く違ったものだ。 またある色を見るとき、同時に赤みと緑みを感じることはなく、 黄色みと青みも同時に感じない。」

ポイントは、黄色も原色の仲間に入っていること。そして「赤と緑」「青と黄」 は、おのおの対立していることです。

ヘリングは、網膜に「赤−緑物質」,「黄−青物質」,「白−黒物質」 の三種類の物質があり、その物質は光の波長によって、同化と異化 という対立的な化学反応を起こすと考えました。同化は黒,緑,青の感覚を もたらし、異化は白,赤,黄の感覚が生まれるのです。

同化:合成反応。物質は生成される。

異化:分解反応。物質は分解される。

  「赤−緑物質」 「黄−青物質」 「白−黒物質」
同化
異化

白色光が網膜に当たると、「白−黒物質」は異化が起ります。「白−黒物質」 の異化が、白の感覚を生じさせます。また黒は「白−黒物質」の同化によって 生じる感覚です。「白−黒物質」は明るさのレベルに対応し、完全同化で白, 完全異化で黒、中間(同化と異化が同時に起っている状態)がグレーに なります。

次に520nmの光が網膜に当たったとします。このとき「赤−緑物質」は 同化が起り、緑が生まれます。それと同時に「黄−青物質」は異化が起り、 黄色が生じます。緑と黄色の情報によって、私たちはこの光の色を「黄緑」と 感じるのです。

■ 段階説

三色説と反対色説とが長年論争されてきたした。最近では、網膜の視細胞 レベルでは三色説に、それ以降の神経細胞レベルでは反対色説に則って、光の 処理がされていると考えられています。この説を段階説と言います。

色覚モデルはたくさんの種類があり、未だに一つの説に絞られていないのが 現状です。

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