物体は「全ての波長の光」を様々な割合で反射し、 反射のしかたによって、見える色が決まります。 例えば赤の物体は長波長の光が多く反射している状態です。 横軸に波長を、縦軸に反射率をとると、下のようなグラフが になり、このグラフを反射率曲線といいます。反射率曲線は 分光分布とも呼ばれます。
この曲線は赤い物体の例です。長波長の光が多く反射していて、 短波長の光はわずかにしか反射していません。裏を返すと、赤い物体は、 長波長の光を少しだけ吸収し、短波長の光をたくさん吸収してい ると言えます。上のグラフから、400nmの光(青紫の光)は、 10%ほどが反射され、90%ほどが吸収されていることが分かります。
反射率+吸収率=100%
反射率曲線とは、どの波長の光が、どのくらい反射しているかを 表すグラフなので、この曲線を見ると、大体の色が分かります。 この曲線によって、色を表すことが出来るのです。
このセクションでは、反射率曲線の形から、物体や光源が、 どんな色なのかを推測する手段を紹介します。またパソコンの カラー指定のテクニックも紹介します。反射率曲線と 色の三属性を知ると、パソコンで色を指定(RGB)するとき、 「どんな色を出したらいいんだろう。」と悩むことが、 少なくなります。
まずは色相から見て見ましょう。鮮やかな色を例にとって 説明します。色相は、どの波長にピークがあるかを見れば、 大体分かります。例えば長波長にピークがあれば、赤のような 暖色系ですし、短波長にピークがあれば青や青紫になります。
(A)は長波長にピークがあり、(B)は中波長にピークが あります。それぞれの色は、赤&緑と推定出来ます。
(C)は短波長側にピークがあるので、青色です。 (D)は長波長〜中波長とピークの幅が比較的広いです。赤の光と 緑の光が混ざると、黄色になります。そのため(D)は黄色であると 考えられます。
次のグラフはピークが二つあります。長波長側と短波長側 です。青と赤が混じって出来る色、答えは紫です。紫の反射率曲線 に比べて、長波長側の反射率が大きく、短波長側の反射率が 小さくなると、赤紫(マゼンタ)になります。紫や赤紫は スペクトルに存在しない色です。複数のスペクトルが混じ って出来る色なのです。
光が多く反射されれば物体は明るい色に見え、光がわずかにしか反射されないと 物体は暗い色に見えます。つまり色の明度は、光の反射量に依存するのです。
分かりやすいのが無彩色です。(左の図)反射率が高いほど明るくなり、反射率が低いほど 暗くなります。
右の図は有彩色の例です。(A)(B)共に中波長にピークがあるので、色相は緑であると 考えられます。しかし光の反射量は、(A)の方が(B)より多いです。従って 同じ緑色でも、(A)は「明るい緑」で、(B)は(A)に比べて「暗い緑」 なのです。
このように明度は、光の反射量に注目すると分かります。 反射率曲線と横軸に囲まれた面積が大きければ大きいほど、明度が 大きいと言えます。
無彩色は反射率曲線が平らです。逆に、特定の波長にピークがハッキリ表れていると、 その物体の色は彩度が高いことになります。特定の波長の光が、他の光より断然多く含 まれているからです。
反射率曲線の高低差が彩度を表しています。高低差が大きいほど鮮やかな色になり、 高低差が小さいほどくすんだ色になり、高低差がなくなると(平らになると)、無彩色 になります。
色の三属性と反射率曲線の知識があると、パソコンで 色を指定するとき、スムーズに出来ます。パソコンはRGB、すな わち「赤」「緑」「青」の三変数を0〜255の範囲で配分し、色 を指定します。
例えば鮮やかな赤の場合、緑と青は無視して、赤をたく さん配分すれば良いです。彩度は高低差を表すので「R=255 、G=0、B=0」が一番鮮やかな赤になります。
黄色は赤と緑の光が混ざって出来た色ですから、当然青は無視 です。オレンジは、赤と黄の中間の色なので、Gの値を下げます 。逆にRの値を下げると黄緑になります。
明度は反射量によって依存するので、R+G+Bの値 (光の量)が多ければ多いほど明るくなります。分かり やすいのが、無彩色です。
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