1-1 光と色

光が発生する源を光源といいます。光源の例として、 太陽、蛍光灯、白熱灯、水銀灯など様々な種類があります。 今回は視覚現象の三要素の一つである「光」について解 説します。

■ 光とは?

光は一種の電磁波です。電磁波には様々な種類があり、 赤外線や紫外線,可視光線(光)なども、電磁波の仲間です。 電磁波は波長によって様々な呼び名ががあります。波長とは、 下の図のように、山の頂点から次の山の 頂点までの長さを指します。

波長

電磁波の中で、私たちの目に見える(色を感じれる)電磁波のことを、 可視光線と呼び、可視光線の波長の範囲は、だいたい380〜780nmです。 全体で見れば、ごくごく限られた範囲です。

nmはナノメートルと呼び、1mの十億分の一の長さです。 地球の直径を1mと仮定すると、10億分の1メートルは、1円 玉の直径未満の長さです。「光」というと、普通は可視光線を 指します。ちなみに光の速さは約30万km/秒です。1秒間に地球七周半も するのです。

可視光線の範囲

■ 光の正体

色みが感じられない光のことを「白色光」と言います。 太陽光は白色光です。輝く太陽の光。その中には美しい虹の色が 眠っています。太陽光をプリズム(透明な三角柱)に通すと、 様々な色の光が見えます。俗に言う「虹色」です。

白色光から、様々な色の光に分ける実験を、最初に行ったのがニュートンです。 彼は、暗い部屋の中に、小さな穴から太陽光線を導き、それをプリズムに通しました。 その結果、赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫と変化していく色の帯が、スクリーンに映し出 されました。この色の帯のことをスペクトルと言います。

プリズム分光

ニュートンの実験の結果、太陽光には、様々な色の光が含まれていること が分かりました。(この実験は「光学」に著されている。)可視光線の中で一番波長が長い色は赤色で、一番波長が短い色は青紫です。太陽光には、全ての波長の可視光線が、ほぼ均等に含まれています。

私たちが普段見る光は、様々な波長の光が混じっています。 これを波長ごとに分けることを分光と言います。 ニュートンの実験も、分光を行っていることになります。 またこれ以上分光できない単一波長の光を単色光 といいます。

■ 長波長・中波長・短波長

可視光線の波長の範囲は、一般的に380〜780nmです。しかしその境界はかなりあいまいなので、 400nm〜700nmとしても支障はありません。400〜500nm、500〜600nm、600〜700nmと、三つの範 囲に分けて、波長の短い方から順に短波長、中波長、長波長と呼びます。長波長の光は主として 赤く、中波長の光は主として緑に、短波長の光は主として青く見えます。赤の光、緑の光、青の光、 この三色を「色光の三原色」と呼びます。

短波長
中波長
長波長
400〜500nm
500〜600nm
600〜700nm

■ 分光の原理

なぜ光をプリズムに通すと分光するのでしょう?光は障害物 がないと直進しますが、物に当たると曲がります。光が曲がるこ とを屈折と言います。

また光は波長の長さによって、曲がる角度(屈折率)が 違います。波長が長いほど屈折率は小さく、波長が 短いほど屈折率は大きいです。各波長の光の屈折率のちがいによって、 光が分かれて、スペクトルが見えるのです。

雨上がりの空にかかる虹が見えるのも、空気中に浮遊している小さな雨粒が プリズムの役目をして、太陽光を分光しているためなのです。ハッキリ見えている虹 を主虹、うっすらと見えている虹を副虹と言います。

■ 虹について

皆さん虹は何色ですか?私たち日本人は、7色 と教えられることが多いはずです。では6色はダメ なのでしょうか?5色は?2色は?

どれでも正解です。虹を見ると、虹の色の数は無限大と言っても良く 、決して「虹の色数は○色だ」とデジタルに決め付けることは できません。虹色は、アナログの世界なのです。だから15色と言っても間違いで はありませんし、2色と言っても間違いではないのです。虹の美しさを、 記憶にとめるため、私たちは虹の色を七色で表しているのです。

虹の写真

アフリカでは、虹の色は2色と考えている国もあります。熱い色と寒い色の 二色で成り立つんだ、と考えているのです。ちなみにスペクトルを発見した ニュートンは、スペクトル(虹)は7色に分けています。

赤−橙−黄−緑−青−藍−菫(青紫)

私たち日本人とほぼ同じですね。しかしニュートンは、スペクトルを発見した当初 、スペクトルの色は6色に分割していました。藍色(インディゴブルー)がなか ったのです。ではなぜ7色になったのでしょう?

一つは「音楽の規則に合わせるため」です。 西洋では、色は音階のように何らかの規則性があると 考えられていました。階名は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」 の七種類があります。そして和音は「ド・ミ・ソ」のように 規則性があります。音楽にも規則があるように、色にも 何らかの規則があるのでは?これを背景に、6色に 藍色が加わって、7色になったのです。

もう一つ、「7という数字は無難であるから。」です。 心理学で「青七現象」というのがあります。これは青と数字の7は、 文化に関係なく、どの民族からも好まれる確率が高い、という現象です。 「ラッキーセブン」「七五三」など、7を使った言葉は少なくありません。 しかも7は悪い意味で使われることはそんなにありません。

つまり7は、無難な数なのです。ニュートンが住んでいる場所は 、キリスト教がバリバリ盛んな地域です。6と言う数字は、「666」を連想して、 縁起が悪かったのかもしれません。666はキリスト教にとって、縁起の悪い数です。 (666の悪魔)ちなみに13も縁起が悪いです。日本では4と9ですね?逆に7や8 は縁起が良いですね。

■ 白熱灯と蛍光灯

太陽光は白色光です。太陽光は、全ての波長の光が、ほぼ均等に含まれているので、 無色に見えるのです。しかし白熱灯の色は、無色ではなくオレンジ色です。 白熱灯の光がオレンジっぽい理由は、赤やオレンジのような 長波長の光が、他の波長の光より多く含まれているからです。

蛍光灯の光は、黄や青の光が、他の色の光より多く含まれています。 最近では、白熱灯っぽい蛍光灯もあります。

白熱灯:赤みがプラスされる。

蛍光灯:青み&黄みがプラスされる。

■ 可視光線以外の電磁波

可視光線以外にも、様々な種類の電磁波があります。 中でも「赤外線」「紫外線」はかなり有名です。 赤外線とは、赤の光よりも波長が長い電磁波です。赤外線は別名「熱線」 ともいわれ、コタツなどに利用されています。コタツの中は、 赤外線がいっぱいです。赤い光より外側の波長の光なので 、赤外線と呼ばれるのです。

紫外線は、紫の光よりも波長が短い電磁波です。 紫の光より、すぐ外側の電磁波なので、紫外線と呼ばれるのです。 DNAは、紫外線によって、比較的容易に破壊されます。そのため 紫外線は、少量なら殺菌効果があります。しかしあまりにも紫外線を 浴びすぎると、皮膚の具合が悪くなったり、ひどいときには 皮膚がんを起こす危険性もあります。

紫外線は殺菌や滅菌をするのに使われます。 化学実験や生物実験では、正確なデータを得るため、 周りの微生物を殺すシーンが結構あります。たとえば ヤクルト中の乳酸菌の数を知りたいとき、サンプル内 に他の微生物が入ると、正確に乳酸菌の数を数えるこ とはできません。例えば乳酸菌が入っているサンプルの一部を、 シャーレや試験管に移すとき、シャーレや試験管自体に雑菌が 含まれていたらアウトです。もちろん、乳酸菌を移す器具(薬さじなど) に雑菌が付いててもダメです。

雑菌を殺す手段として、紫外線ランプを使ったり、熱で殺した りなどがあります。試験管やシャーレを使うときは、 必要に応じて、滅菌したものを使います。ちなみに雑菌によって、 サンプルが台無しになることを、コンタミネーション(コンタミ) と言います。微生物はとてもデリケートです。実験は慎重に 行うべきです

話がそれてしまいました。紫外線は殺菌に有効です。 日干しをするのも、乾燥させるためだけでなく、紫外線によって、 微生物を殺すといった理由もあります。ただ紫外線は、色あせ の原因にもなるので、色ものを干すときは、長時間紫外線に さらさない方が良いです。

他にも様々な電磁波が、日常生活に活用されています。

レーザー波:航空機や船の探知、気象観測に用いられています。

]線:レントゲンに活用されています。また分析機器にも使われています。

テレビ波:テレビの通信に使われています。

ラジオ波:ラジオの通信に使われています。

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