Chap1 色の本質

色とは何でしょうか?ここでは科学的な視点で色を見ます。

結論からいいます。色とは一種の「感覚」です。

物には色が付いています。物を見ることは、色を見ることといっても、 差し支えありません。物の色(物体色)を見るには、三つの条件を クリアしないといけません。

1.対象の物体があること。

2.物体を照らすがあること。

3.色を感じるための器官()があること。

まず物の色を見るには、当然物体が必要です。リンゴの赤 をみるには、リンゴが必要ですね。また物体があっても、 光がないと何も見えません。電気を消すと暗闇でなにも見え ません。そのため光が必要です。また色を感じるためには 、目が必要です。目をつぶってはなにも見えません。

例えば緑の葉があるとします。まず光が葉に当たります。葉 に当たった光の一部が、葉に吸収され、残った光(緑色に感じる 光が主流)が反射します。反射した光が、私たちの目に入りま す。そして私たちは、緑の葉を「緑色だ。」と感じるのです。

つまり色は「目で感じるもの。」「目で見るもの。」 なのです。このことをよく覚えてください。

「物体」「光源(光)」「目」、この三要素は視覚現象の三要素 と言います。ちなみに、花火や白熱灯のような光の色(光源色)を見 るには、「目」「光」の二つだけでOKです。

視覚現象の三要素

この三要素が一つでも変化すると、色の見え が変わってしまいます。

例えばリンゴがあるとします。同一人物が、白熱灯の 下でリンゴを見るのと、蛍光等を使ってリンゴを見るのでは 、色の見えが全然違います。白熱灯を使ったほうが、リン ゴが赤っぽく見え、熟れているように見えます。逆に蛍光等 は、リンゴが青っぽく見え、つめたい印象を与えます。

そのため、食べ物を美味しく見せるには、白熱灯を 使ったほうが良いのです。このように光が違うと、同じ物 体でも色の見え方が違う結果になります。色の見え方が違うと、 当然受け手に与える印象が違います。そのため、照明環境に注意する ことはきわめて重要です。

高齢者に起る病気で「白内障」があります。目 の水晶体が黄色くにごる現象です。白内障が顕著化すると、 青と黒の区別が付きにくくなります。目の状態が変化すると、 色の見えが異なる例です。

病気でなくても、目の条件は、人によっ て微妙に違います。全く同じ条件の人なんて まずいません。

また色は一種の感覚なので、そのときの気分によっても、 見え方が変わります。例えば殺人事件を目撃した後に、 いちごのような赤を見ると、血のようなどす黒い赤に 見えてしまうかもしれません。

極端な話をすると、50人に同じ赤を見せても、 50通りの答えが返ってくるのです。同一人物ですら、 時と場合によって、色の見え方が異なるかもしれません。 色の見えは、物理的な要因だけでなく、心理的な 要因も大きく関与しています。そのため色は、 「心理物理的な量」と呼ばれることもあるのです。

「光」「物体」「目」、そして「色覚」につい て知ることは、色を学ぶものにとって必要不可欠 です。この章では、視覚現象の三要素と色覚につ いて解説します。

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