色の見え方1

ある色を見るとき、周りの色と影響し合い、単色だけのときとは ちがう見え方をすることがあります。

■ 対比

対比とは、ある色が他の色に影響されて、実際とは ちがって見える現象のことを指します。対比には、 同時対比と継時対比の2種類があります。

同時対比:2色以上の色を同時に見たときに起きる現象。 「明度対比」「彩度対比」「色相対比」「補色対比」「縁辺対比」 の五種類があります。

継時対比:ある色を見た後、別の色を見ると、はじめに 見ていた色の影響で、本来の色とは違う色が見える現象。

■ 明度対比

下の二つを見比べると、真ん中の灰色は全く同じなのにも関わらず、 左の方が暗く感じ、右の方が明るく感じます。このように周りの色の 明度差によって、同じ色が違って見える現象を明度対比と言います。

同じ明るさの懐中電灯でも、昼と夜では、夜の方が明るく見えますね。色の 対比は色と色との差が強調されて見える現象とも言えます。この現象は色だけに 限ったことではありません。俺の身長は176cmですが、もしジャイアント馬場 に囲まれたら、俺は普段よりも小さく見えてしまいます。 色の対比もこのような現象であると考えれば分かりやすいです。

背景:白(高明度)→灰色はより暗く見える。

背景:黒(低明度)→灰色はより明るく見える。

明度対比

■ 彩度対比

下の図を見てください。真ん中のオレンジ色は全く同じなのにも関わらず、 左の方がくすんで見え、右の方が鮮やかに見えます。このように周りの色の 彩度差によって、同じ色が違って見える現象を彩度対比と言います。

鮮やかな色に囲まれると、オレンジはよりくすんで見え、地味な色に囲まれると、 オレンジはより鮮やかに見えると言えます。

背景:鮮やかなオレンジ(高彩度)→オレンジはよりくすんで見える。

背景:くすんだオレンジ(低彩度)→オレンジはより鮮やかに見える。

彩度対比

■ 色相対比

周りの色の影響を受けて、色相がずれて見える現象を色相対比といいます。

色相対比

■ 補色対比

補色

緑に囲まれた赤と、白に囲まれた赤は、全く同じ赤色です。 しかし緑に囲まれた赤の方が鮮やかに見えるはずです。これは赤を 囲んでいる緑が、赤を引き立たせる役目を持っているからです。

補色対比

■ 縁辺対比

明るいグレイと暗いグレイが接する部分において、明るいグレイはより明るく見え、暗いグレイはより暗く見えます。このように境界部分に表れる対比現象を縁辺対比といい、明度対比の一種です。

縁辺対比

■ 継時対比

下の赤を1分間ほどじっと見た後に、白いところに目を移すと、ぼんやりと青緑の点が見えてきませんか?このようにある色を見ると、その色の補色(反対色)が残像として見えます。(補色残像現象)ある色を見た後別の色を見ると、はじめに見ていた色の影響で、本来の色 とは違う色が見える現象を継時対比といいます。

けいじ対比

■ 同化

対比とは反対で、色と色が影響し合って、色が似て見える現象を 同化といいます。柄が細いほど、起りやすいです。

まず下の図を見てください。全く同じグレーですが、白の線を入れた グレーは明るく、黒の線を入れたグレーは暗く見えます。

次に水色の背景に、青と灰色の線を入れました。 青の線を入れた水色はより鮮やかに、灰色の線を入れた 水色はよりくすんで見えます。

今度は緑の背景に、黄と青の線を入れました。全く同じ緑なのに、 黄の線を入れた緑は黄みがかかった緑に見え、 青の線を入れた緑は青みがかかった緑に見えます。

オレンジのみかんに赤い線を入れました。 赤い線を入れたみかんの方が、普通のみかんより、赤みがかかって 見えるはずです。みかんを赤いネットに入れると、同化現象より、 オレンジのみかんが赤っぽく見えて、より熟れているように見えます。 枝豆やオクラを緑のネットに入れて、売っているのも、同化現象を 上手に利用している例です。

また「網タイツ」の色が白や明るい色が多いのは、同化現象 によって、肌がより明るく(白く)見えるからです。このとき網目が 細かいほど、ホワイトに見える効果が大きいです。

左の灰色と右の灰色は同じ灰色です。この図形は『ホワイト錯視』と呼ばれています。

ホワイト効果のカラー版もあります。この図形は『ムンカー錯視』と言います。


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