色とイメージ2

■ 色と形

色から連想される形があると言われています。しかしこれは人によって 様々な説があります。

イッテン,ビレン,カンデンスキーは赤は正方形■、 黄色は正三角形▲、 青は円●と唱えています。カンデンスキーは更に「赤は立方体、 黄色は正三角錐、青は球」と立体図形についても唱えています。

形についても、色と同じように、シャープな形やソフトな形があります。 コーディネートでは色オンリーではなく、形も重要な要素の一つです。

■ 色型人間と形型人間

人には、形より色に興味を示すタイプと、色より形に 興味を示すタイプがいます。Aと同じものを、 BorCから選んでください。

色型人間:AとCを同類と見なすタイプ。低年齢の子供に多い。 男性よりも女性に多く見られる。

形型人間:AとBを同類と見なすタイプ。年齢が高くなるに連れ、 形を優先する傾向がある。

俺のクラスの友達に、この問題を出したら、「どっちもありうるよ、この問題。 色に注目するか、形に注目するかの違いだろ。」と言われたことがありました。

■ 配色と安定性

ファッションでトップスにうすい黄色、ボトムスに紺色を 使ったとしましょう。軽い色を上に、重い色を下に配色すると、 安定感が得られます。(下重心型)逆に重い色を上に、 軽い色を下にすると、不安定ではあるが、言いかえれば「動きのある印象」 を与えることもあります。(上重心型)カジュアルファッションや スポーツウェアに、よく応用されます。

またインテリアの配色でも、配色の安定性が配慮されている みたいです。床に暗い色,壁に明るい色で配色すると、安定感 が得られます。逆に床に明るい色、壁に暗い色で配色すると、 上から押しつぶされるイメージがあるので、好ましくありません。

下重心型 上重心型

■ 色と味覚

料理は味だけではなく彩りも相当重要です。また 食器の色も非常に重要なファクターです。「見た目も味の内」と いう言葉もあります。

身の回りには、様々な食物がありますが、多くは赤〜黄の 暖色系+緑です。しかしブルーベリーやプルーン、ムラサキ キャベツは紫色です。しかし全食品から見るとごくごく わずかです。

私たちは無意識のうちに「食品と言ったら暖色系+緑」 と考えています。そのため、普段見慣れた食物の色は美味しく 感じますが、奇抜な色には危険を感じ、まずそうに見えます。 もしオムライスのケチャップが青や紫であったら、 美味しくは見えません。

グリーンサラダにはトマトをアクセントとして沿えると 料理の色が引き立ちます。これは緑と赤が補色(反対色) であるからです。

補色を利用した例 ・マグロの刺身に添えられているバレン(緑色の草みたいな飾り)。 ・寿司に置かれている笹の葉。

補色を上手く利用すると、料理が引き立ち、おいしそう度がアップします。

■ 色と音

ある音を感じると同時に、ある色を感じることが出来る人を 色聴者といいます。視覚と聴覚が同時に生じている ことになります。このように、五感の一つが刺激されたとき、 別の感覚が同時に生じることを共感覚といいます。色と音の 感じ方は個人差が強く、普遍的な関係を見だす事はできません。

「音で色が分かるなんて、すごい才能だな。」と思われる方も いるかもしれませんが、そうとは限りません。「ドの音は赤、レの音は 黄」のようなことは難しいけど、フルートの音はパステル調の色みたいに 軽やかな音、トライアングルの音は金属色みたいなクリアな音くらいなら、 なんとなく同感できます。

また「恍惚のブルース」のように、哀愁を 帯びている音楽を「ブルース」(もちろん青)と呼んでいるなど、 音と色はなんらかの相関性がありそうです。

■ 記憶色と色修正

私たちはみかんの色はオレンジ、りんごの色は赤色といったように 、実在するものと色を関連付けて、イメージすることがあります。しかし、 人間の記憶はいい加減なもので、その色を正確に記憶しているわけ ではありません。わたしたちが考えているりんごの色と実 際のりんごの色は違うのです。

ある実験で木の葉の写真を被験者に見せた後、数分後に「さっき見た木の葉の 色と近いと思う色を次の中から選んでください。」と質問したら、写真の 木の葉の色より、彩度が高い色を選択する人が多かったのです。

イメージとして記憶されている色を、記憶色と言います。一般的に、記憶色は 実際の色よりも高彩度です。桜の色もピンク色というイメージがあるが、実際に 見ると白っぽく見えるはずです。(ソメイヨシノの場合。サトザクラは例外。)

しかし記憶色にも例外があります。それは肌の色です。肌の記憶色は 、実際の肌の色より低彩度・高明度です。肌をリアルに再現しても、 私たちは肌を実際の肌の色より色白であると思っているため、 それらしく見えません。それらしく見せるためには、明度を上げ,彩度を 下げる必要があります。(記憶色に近づける。)肌色の特異点の 一つです。

写真やテレビでは、リアルに色を再現するよりも、記憶色に近づけて再現すると 、好まれることが多いです。記憶色に近づけるように、色再現する行為を色修正と いいます。

スキーのポスターを見ると、ゲレンデの雪の色が青っぽく見えることがあります。 本当の雪の色は真っ白ですが、記憶色はごくうすい青なのです。実際の色よりも、 高彩度ですね。ポスター編集者は、ポスターの色再現をするとき、雪の部分を 青っぽく見せるように修正していると思われます。森の写真も実際よりも高彩度に 再現すると好まれるようです。

お見合いの写真や結婚式の写真の値段はべらぼうに高いです。 ただ単に写真を撮って、印刷するだけなら、そんなに金はかかりません。 値段が高い理由は、色修正を行っているからです。肌を色白にしたり、服を高彩度に 見せたり、記憶色に近づけさせることによって、みんなに好まれる写真を 作っているのです。

そういえばうちの母が、はじめてデジカメを使って画像をパソコンに取り込んだとき、 やけにパソコンに座っている時間が長いなと思って、見にいったら、

母:「ねぇ肌を白く見せる方法ある。ちょっとこの写真黒っぽく見えるのよ。」
俺:「明るさを上げればいいんんじゃない。このアイコンをクリックして。」
母:「あっ、明るくなったわ。ありがとう。」
俺:「しかし母もずるいな。写真は真実をうつすものなのに。」
母:「今はそんなことどうでもいいのよ。とにかく白く見せたいの。」

と4年前くらいに会話したことがありますが、色修正や記憶色の実態を 知った後は、「写真は真実をうつすもの」という言葉を声高らかに 言うことが出来なくなってしまいました。


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