混色

色と色を混ぜることを混色と言います。絵の具を混ぜたことなら、 みなさんも経験したことがあるでしょう。しかし一口に混色と言っても、 色々な種類があります。

人間は大体1000万色以上の色を見ることが出来ると言われています。 自分の周りを見渡しても、たくさんの色があります。しかしそんな たくさんの色のモト(原色)と言えるのは、下の三色だけなのです。この 三色があればどんな色も作り出せます。三原色は二種類ありますが、用途 によって使う三原色は違います。

黄みの赤(R) 緑(G) 紫みの青(B)
色光の三原色

マゼンタ(M) イエロー(Y) シアン(C)
色料の三原色

■ 色光の三原色

テレビやスポットライト,CGなど、光を用いた混色では、 色光の三原色(別名:光の三原色)を使います。黄みの赤(R) 、緑(G)、紫みの青(B)の三種類です。単純に赤,緑,青と 言うことが多いです。色光の場合、光を加えるごとに、元の 色よりも明るくなるので、このような混色を加法混色 と言います。RGBと覚えると良いでしょう。 三原色を重ね合わせ、光量を調節すると、白色が得られます。


■ 色料の三原色

絵の具やカラー印刷など、色料を用いた混色では、 色料の三原色(別名:闇の三原色)を使います。マゼンタ(M), イエロー(Y),シアン(C)の三種類です。絵の具の場合、 混色すると元の色より暗くなるので、 減法混色と言います。三原色を混色すると暗い灰色 になります。(完全な黒にはならない。)


■ 中間混色

加法混色と減法混色以外にも、中間混色があります。中間混色には、 回転混色と並置混色の二種類があります。

1.回転混色

コマのように回転する円盤を、各色の面が扇形になるように塗り分け、 高速回転させます。そうすると、目の中で混色してひとつの新しい色が 見えます。回転させることによって、新しい色を得る混色を、回転混色 と言います。たとえば、下のように「赤」と「黄色」に塗り分けた円盤が あったとします。それを高速回転させると、全体では「オレンジ」に見えます。

2.並置混色(併置混色)

並置混色(併置混色)とは、二色以上の色を細かい点として、 びっしり並べることによって、新しい色を得る混色方法です。

たとえば、下のように「赤」と「黄」の点を細かくびっしり並べて、 遠くから見るとオレンジに見えます。

次に「青」と「緑」の例です。点を細かく並べ、遠くから見ると「青緑」 に見えます。

並置混色の応用として、点描画法があります。点描画法とは、 絵の具をパレットで混ぜないで、チューブから出したままの色を、カンバスの 上に細かい点としてびっしり並べて置く絵画技法です。 点描画法は、スーラシャニックと言った「新印象派」 の画家たちや、日本人では岡鹿之助により使われていました。


■ プリンタの印刷について

プリンタを使った印刷はシアン、イエロー、マゼンタとブラック(K)の 4種類が使われます。「えっなんで三原色なのに、色を四つ使うの。」 と思われるかもしれません。確かに三原色で黒を作ることはできます。 しかし黒は黒でも、暗い灰色に近い黒であって、漆黒ではありません。 漆黒みたいな黒を得るために、ブラックのインクが必要なのです。 また黒を作るには、三原色全部を使わないといけないので、大変手間が かかります。黒は大変良く使われる色です。そのため、わざわざ 黒を三原色で作るよりも、黒のインクを使った方が印刷の手間も 省けるのです。

ちなみにもう一つ重要な色があります。それは白です。白はインクが あるわけではなく、紙の白を利用します。そのため、紙の質によって 色の見え方が違うこともあるので、注意が必要です。

ちなみに最近は、6色や7色インクのプリンタも出回っています。 うすい赤、うすい青、暗い黄などを加えていることが多いです。 これは、三色の混色が完全に行えないプリンタの性能を補ってい るだけなのです。色再現に関して、本当に性能の良いプリ ンタは、三色+黒で十分なのです。

下の図は印刷物を拡大したものです。カラー印刷では、三原色と黒の 網点によって色を表します。「減法混色」と「並置混色」によって、 様々な色を表されるようになっています。

減法混色:網点が重なることによって生じる
並置混色:しきつめられた網点と紙の白によって生じる

■ 原色と純色の違い

原色と純色は混用しやすい言葉です。原色とは他の色 を混ぜても得られない独立した色を指します。純色とは、 ある色相のなかで最も彩度が高い色を指します。

たとえば絵の具を使うとき、(A)と(C)の黄色と青は 純色&原色です。これらの色は、他の色を混ぜても作り出すことが できなく、彩度も非常に大きいです。それに対して、 (B)のオレンジは、純色ではあるけれども、原色ではありません。 オレンジは赤と黄を混ぜれば作れるからです。

(A) (B) (C)

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