ここでは色相とトーンの知識を使って、簡単な配色を行います。
配色とは色を合わせることです。トップスとボトムス を合わせる、ワイシャツとネクタイと合わせる、画材で色を塗る、 ホームページを作成する、テーブルセッティングやインテリアなど 、私たちの生活で配色するシーンは結構あります。
配色を行う前に大切なことがあります。それはコンセプトを ある程度決めることです。コンセプトと言うと難しそうに感じますが、そんな ことはありません。例えばホームページのトップページのデザインを 変えたいときは、
「今回は夏のイメージで行きたいな。」
「ロマンチックなイメージのトップページにしたいな。」
「犬の写真を載せたいから、背景は自然系が良いな。」
と言った感じで、大体どんなイメージにしたいかを考えるのです。 ファッションの場合は、
「今日はパーティーがあるから華やかな色の服を着たい。」
「大人っぽいエレガントなコーディネートが良い。」
「落ち着いたファッションにしたい。」
といった感じです。イメージが決まると、そのイメージを演出する 配色が必要になるので、使う色やトーンを絞ることが出来ます。
例えば下の写真みたいにロマンチックなイメージにしたいなら、柔らかく軽やかな イメージを出さなければならないので、暗い色を中心に使うのはキツイです。 またくすんだ色や灰みがかかった色を主軸に使うのも、考えにくいです。
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そのため使うトーンが限られます。ペールトーンやライトトーン が中心になります。また色相も寒色系よりは暖色系の方が中心になります。 ロマンチックなイメージを出す場合、こんな色を使うことが考えられます。
トーン:ペールトーン、ライトトーンがメイン
色相:寒色系より暖色系の方がメイン
夏のイメージなら、クリアな青や赤、空色,麦わら色,爽やかな イメージで白やうすい色などが中心ですね。夏は植物や動物が活発で ある事から、緑も考えられます。トーンはビビッドトーン やブライトトーンなどです。逆に考えにくいのは暗いトーンを 中心に使うことです。
自然のイメージなら、森や水のイメージで緑や青、茶色やベージュ、 オリーブなどが考えられます。トーンはダークトーンや ディープトーン、灰みがかかったトーンなどです。逆に考えにくいのは、 高彩度の紫や赤紫を、大胆に使うことです。サイケデリックカラー (60年代終盤に流行ったギラギラした色の組み合わせ。) なんてもっての他です。
このようにコンセプトを設定しておくと、使う色やトーンが絞れて、 配色が楽になることが、かなりあります。他にも配色をするに当たって、重要な ことはたくさんありますが、「配色テクニック」で紹介します。 「コンセプトを設定した方が良い。」と言うことを、頭の隅にとめて 置いてください。
配色は大きく分けて「統一」と「変化」の二種類あります。 「良い配色だな。」と思う配色は、統一と変化のバランスが上手く 取れていることが多いです。
同系色だけを使うなど、色相を統一させて配色すると、 シンプルでまとまりのある配色になります。(1)の配色 は赤系の色でまとめている例です。色相が赤で統一されて いますね。無難な配色と言えますが、「つまらない、迫力 がない」欠点も持っています。
(1) |
(2)の配色はトーンで統一されています。明度が高く、 彩度が高いので、ブライトトーンです。色相は違います。
トーンを統一した配色は色相を統一した配色に比べて、にぎやかな イメージがあります。色相を自由に選べるのが大きなポイントです。 しかし、色相を選定するのが難しい欠点もあります。この場合は色相を 虹色の順で並べることにより、バランスを取っています。
(2) |
統一感がある配色(特に色相を統一)は、まとまりがあって綺麗 なメリットがありますが、単調でつまらないです。その時は、統一の 中に変化を取り入れると良いです。
例えば(3)は、青の色相でまとめた配色の中に、アクセントとして ほぼ反対色の赤を使っています。黄色やオレンジを使う手もあります。 反対色のような色相差が離れている色を使うことによって、 動きのあるにぎやかな配色を作ることがあります。
(3) |
統一し過ぎると、まとまり感があるが単調でつまらない。 変化が多すぎると、にぎやかになるが乱雑な印象を与える。 それぞれメリットとデメリットがあります。これらのバランスを 上手く取るかが、配色のポイントになります。
また状況によっては、統一と変化の重要度が 変化することがあります。例えばアイドル歌手の衣装は、 華やかさやキャラを出すために、変化を重視すること が多いです。子供部屋もにぎやかな印象を出すために、 変化を積極的に取り入れます。逆に勉強部屋はにぎ やか過ぎては困るので、類似の色を用いるなど、 統一を重視します。
華やかさを演出したいなら変化を重視し、おとなしさを 表したいなら統一を重視するのです。コンセプトを設定するのが 重要である理由の一つです。
(a)の配色はモノトーンの中にアクセントとしてピンクを 入れている例です。(b)はオレンジ系でまとめた配色 の中にアクセントとして青を入れた例です。
(a) |
(b) |
モノトーン+アクセント、同系色(同一・類似の色相) +アクセントの配色パターンは、かなり見かけます。定番の 配色と行っても過言ではありません。アクセントは、小面積 に用いると引き立ちます。ファッションで言えば、マフラーや カフス、ソックス、ベルト、靴などが考えられます。メイクなら、 アイシャドーや口紅ですね。
(c)はディープトーン(高彩度・低明度)で統一した配色、 (d)はダルトーン(中彩度・中明度)で統一した配色です。
ディープトーンで配色すると、深みがあるイメージになります。 和風・伝統がキーワードの配色に使えるかもしれません。ダルトーンは 地味なイメージです。くすんでいて、おとなしい感じです。このように トーンを統一して配色すると、色々なイメージを出すことが出来ます。
(c) |
(d) |
前述しましたが、ペールトーンを中心に配色すると、柔らかく ロマンチックなイメージになります。「3 トーン」で トーンとイメージ語を挙げましたが、それを参考に配色するのも良いかもし れません。ただしイメージ語は人によって受け取り方が違うので、あまり 鵜呑みにしないでください。
「類似と変化のバランスと言われても、どう取ればいいの。」と思われる 方もいるかもしれません。実は私もどう取って良いか具体的な案をパッと出すこと はできません。しかしこのことを、認識しているとしないでは、大きな違いが あります。
例えばファッション雑誌で「あっ、このコーディネートいいな。」と思うものが あったとしましょう。それを注意して見て欲しいのです。
俺も色彩を学ぶ前は、良い配色を見ても、「あっ綺麗だな。」程度で終 わってしまいました。しかし色彩学を学ぶにつれ、「このコーディネートは、 青系を中心にしているな。ボトムスは青、トップスは類似色相で緑みの青。 トップスは明るい色を使って、ボトムスは暗い色を使って変化をつけている。 アクセントとして靴に赤を用いているな。」と言った感じで 注意するようになりました。
それをみなさんもやってみてください!(このコーナーの真髄) 色相、トーン(明度、彩度)、統一(同一、類似)、変化の四つの言葉を 使うだけでも、自分がきれいだと思う配色について、言葉で 表すことが出来ます。
「綺麗だな。」「良い配色だな。」と見過ごされいた配色を 、言葉で表すことによって、それが今後配色するときに 参考になるのです。
ファッションだけではなく、インテリアや美術品,商品パッケージや ホームページなども、もちろん参考になります。身の回りに配色は 転がっています。ここで私がこのコンテンツの文章を作っている間も、 たくさんの配色(色)に囲まれています。囲まれたものの中にも、配色のヒントは たくさん眠っているのです。
ちなみに「これってちょっとやばいんじゃないの。」って配色も分析する 価値はあります。いい配色ばかりに目を向けるだけでなく、悪い配色にも目を 向けると、良い配色を作る力がアップします。(悪い配色を避けることが できるようになるから。)
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