簡単な配色

ここでは色相とトーンの知識を使って、簡単な配色を行います。

■ 配色の前に

配色とは色を合わせることです。トップスとボトムス を合わせる、ワイシャツとネクタイと合わせる、画材で色を塗る、 ホームページを作成する、テーブルセッティングやインテリアなど 、私たちの生活で配色するシーンは結構あります。

配色を行う前に大切なことがあります。それはコンセプトを ある程度決めることです。コンセプトと言うと難しそうに感じますが、そんな ことはありません。例えばホームページのトップページのデザインを 変えたいときは、

「今回は夏のイメージで行きたいな。」
「ロマンチックなイメージのトップページにしたいな。」
「犬の写真を載せたいから、背景は自然系が良いな。」

と言った感じで、大体どんなイメージにしたいかを考えるのです。 ファッションの場合は、

「今日はパーティーがあるから華やかな色の服を着たい。」
「大人っぽいエレガントなコーディネートが良い。」
「落ち着いたファッションにしたい。」

といった感じです。イメージが決まると、そのイメージを演出する 配色が必要になるので、使う色やトーンを絞ることが出来ます。

例えば下の写真みたいにロマンチックなイメージにしたいなら、柔らかく軽やかな イメージを出さなければならないので、暗い色を中心に使うのはキツイです。 またくすんだ色や灰みがかかった色を主軸に使うのも、考えにくいです。

ロマンチックな配色の一例

そのため使うトーンが限られます。ペールトーンやライトトーン が中心になります。また色相も寒色系よりは暖色系の方が中心になります。 ロマンチックなイメージを出す場合、こんな色を使うことが考えられます。

トーン:ペールトーン、ライトトーンがメイン

色相:寒色系より暖色系の方がメイン


夏のイメージなら、クリアな青や赤、空色,麦わら色,爽やかな イメージで白やうすい色などが中心ですね。夏は植物や動物が活発で ある事から、緑も考えられます。トーンはビビッドトーン やブライトトーンなどです。逆に考えにくいのは暗いトーンを 中心に使うことです。



自然のイメージなら、森や水のイメージで緑や青、茶色やベージュ、 オリーブなどが考えられます。トーンはダークトーンや ディープトーン、灰みがかかったトーンなどです。逆に考えにくいのは、 高彩度の紫や赤紫を、大胆に使うことです。サイケデリックカラー (60年代終盤に流行ったギラギラした色の組み合わせ。) なんてもっての他です。



このようにコンセプトを設定しておくと、使う色やトーンが絞れて、 配色が楽になることが、かなりあります。他にも配色をするに当たって、重要な ことはたくさんありますが、「配色テクニック」で紹介します。 「コンセプトを設定した方が良い。」と言うことを、頭の隅にとめて 置いてください。

■ 配色

配色は大きく分けて「統一」と「変化」の二種類あります。 「良い配色だな。」と思う配色は、統一と変化のバランスが上手く 取れていることが多いです。

■ 統一(同一、類似)

同系色だけを使うなど、色相を統一させて配色すると、 シンプルでまとまりのある配色になります。(1)の配色 は赤系の色でまとめている例です。色相が赤で統一されて いますね。無難な配色と言えますが、「つまらない、迫力 がない」欠点も持っています。

(1)

(2)の配色はトーンで統一されています。明度が高く、 彩度が高いので、ブライトトーンです。色相は違います。

トーンを統一した配色は色相を統一した配色に比べて、にぎやかな イメージがあります。色相を自由に選べるのが大きなポイントです。 しかし、色相を選定するのが難しい欠点もあります。この場合は色相を 虹色の順で並べることにより、バランスを取っています。

(2)

■ 変化(対照、反対)

統一感がある配色(特に色相を統一)は、まとまりがあって綺麗 なメリットがありますが、単調でつまらないです。その時は、統一の 中に変化を取り入れると良いです。

例えば(3)は、青の色相でまとめた配色の中に、アクセントとして ほぼ反対色の赤を使っています。黄色やオレンジを使う手もあります。 反対色のような色相差が離れている色を使うことによって、 動きのあるにぎやかな配色を作ることがあります。

(3)

統一し過ぎると、まとまり感があるが単調でつまらない。 変化が多すぎると、にぎやかになるが乱雑な印象を与える。 それぞれメリットとデメリットがあります。これらのバランスを 上手く取るかが、配色のポイントになります。

また状況によっては、統一と変化の重要度が 変化することがあります。例えばアイドル歌手の衣装は、 華やかさやキャラを出すために、変化を重視すること が多いです。子供部屋もにぎやかな印象を出すために、 変化を積極的に取り入れます。逆に勉強部屋はにぎ やか過ぎては困るので、類似の色を用いるなど、 統一を重視します。

華やかさを演出したいなら変化を重視し、おとなしさを 表したいなら統一を重視するのです。コンセプトを設定するのが 重要である理由の一つです。

■ 配色例

(a)の配色はモノトーンの中にアクセントとしてピンクを 入れている例です。(b)はオレンジ系でまとめた配色 の中にアクセントとして青を入れた例です。

(a)

(b)

モノトーン+アクセント、同系色(同一・類似の色相) +アクセントの配色パターンは、かなり見かけます。定番の 配色と行っても過言ではありません。アクセントは、小面積 に用いると引き立ちます。ファッションで言えば、マフラーや カフス、ソックス、ベルト、靴などが考えられます。メイクなら、 アイシャドーや口紅ですね。

(c)はディープトーン(高彩度・低明度)で統一した配色、 (d)はダルトーン(中彩度・中明度)で統一した配色です。

ディープトーンで配色すると、深みがあるイメージになります。 和風・伝統がキーワードの配色に使えるかもしれません。ダルトーンは 地味なイメージです。くすんでいて、おとなしい感じです。このように トーンを統一して配色すると、色々なイメージを出すことが出来ます。

(c)

(d)

前述しましたが、ペールトーンを中心に配色すると、柔らかく ロマンチックなイメージになります。「3 トーン」で トーンとイメージ語を挙げましたが、それを参考に配色するのも良いかもし れません。ただしイメージ語は人によって受け取り方が違うので、あまり 鵜呑みにしないでください。

■ 実際に分析してみよう:超重要

「類似と変化のバランスと言われても、どう取ればいいの。」と思われる 方もいるかもしれません。実は私もどう取って良いか具体的な案をパッと出すこと はできません。しかしこのことを、認識しているとしないでは、大きな違いが あります。

例えばファッション雑誌で「あっ、このコーディネートいいな。」と思うものが あったとしましょう。それを注意して見て欲しいのです。

俺も色彩を学ぶ前は、良い配色を見ても、「あっ綺麗だな。」程度で終 わってしまいました。しかし色彩学を学ぶにつれ、「このコーディネートは、 青系を中心にしているな。ボトムスは青、トップスは類似色相で緑みの青。 トップスは明るい色を使って、ボトムスは暗い色を使って変化をつけている。 アクセントとして靴に赤を用いているな。」と言った感じで 注意するようになりました。

それをみなさんもやってみてください!(このコーナーの真髄) 色相、トーン(明度、彩度)、統一(同一、類似)、変化の四つの言葉を 使うだけでも、自分がきれいだと思う配色について、言葉で 表すことが出来ます。

「綺麗だな。」「良い配色だな。」と見過ごされいた配色を 、言葉で表すことによって、それが今後配色するときに 参考になるのです。

ファッションだけではなく、インテリアや美術品,商品パッケージや ホームページなども、もちろん参考になります。身の回りに配色は 転がっています。ここで私がこのコンテンツの文章を作っている間も、 たくさんの配色(色)に囲まれています。囲まれたものの中にも、配色のヒントは たくさん眠っているのです。

ちなみに「これってちょっとやばいんじゃないの。」って配色も分析する 価値はあります。いい配色ばかりに目を向けるだけでなく、悪い配色にも目を 向けると、良い配色を作る力がアップします。(悪い配色を避けることが できるようになるから。)

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO