パーソナルカラー

■ パーソナルカラーの起源

パーソナルカラーの起源はさまざまな説があります。しかしパーソナルカラーを 語るときに、絶対に登場するのがイッテンとドアです。

1923年、アメリカのロバート=ドアが、ブルーアンダートーン(青みよりの色)と イエローアンダートーン(黄みよりの色)を基本とした調和論を発表しました。 その考えをもとに作成したカラーキープログラムが、ファションやインテリアなどの 多分野で成功し、パーソナルカラーの起源のひとつとなりました。

またイッテンは、1919年ドイツの造詣学校であるバウハウス創設時に、色と形の 指導者として参加しました。イッテンは著書で「自然界の四季の中に色彩の源があり、 調和があり、その意味するものを観察するべきである。」と説いています。(フォーシーズンカラー の起源)

まずパーソナルカラーの最も基礎になったのが、ロバートドアの2分類法であり、 それを基に4シーズンを提唱する人が、イッテンの考えをよりどころに、色を4分類に したと考えるのが、一番考えやすいです。

■カラーコンサルタント

アメリカでは1940年代くらいに、すでにカラーコンサルタントという職業が 存在していました。発色彩学者フェイバービレンもその一人です。当時は色彩調節 が行われ、対象物は、工場や公共施設,一般住宅です。 「色をうまく使うことによって、快適に仕事や生活をしよう!」そのような目的で 色彩調節が行われました。

色彩調節の効果が認められると、色彩の効果的な利用が、服装やメイクにも 取り入れ始められ、ファッションコーディネーターたちが、顧客を対象に 色彩調和が中心のカラーアドバイスを積極的に行うようになりました。 またアメリカのスザン・ケイギルは、肌,目,髪の色などから、その人に適している 色を探し出す手法を開発しました。

1960年の大統領選挙では、選挙戦にカラーテレビの効果が大 きく活用されました。ケネディ候補は、カラーテレビ出演に 際して、色彩の効果をうまく利用して自分をアピールしました。 このときアメリカの一流カラーリストが影で活躍しました。 カラーテレビをうまく使った作戦です。これ以降、アメリカの政治家たちは、 専用のカラーリストを雇い、有権者に好印象を与えるように努めました。

1970年代はじめ、企業でも、「イメージ戦略」の重要性を認識するように なりました。特に接客や取引のように、対人や対企業の折衡を行う場面では、 「イメージ戦略」が効果的であることを認識され、男性の間でもパーソナルカラーへの 関心が広まりました。これを背景に、カラーコンサルタントはビジネスとして大きく 発展しました。(例:どのような色が効果的かをアドバイスする。) ちなみに「パーソナルカラー」という言葉が登場したのは、70年代に 入ってからです。

1980年代になると、ゲリー・ピンクニーが、カラー分析の4シーズン法を創案しました。 ファッションアカデミーで講座を開講しましたが、これが大ヒットしました。 更にキャロルジャクソンは、パーソナルカラーの教本となる 「カラー・ミー・ビューティフル」を出版しました。この本が 世界的に大ヒットし、ついには日本にもパーソナルカラーが上陸したのです。

日本におけるパーソナルカラーとその問題点

「あなたにお似合いの色を見つけます。」

このようなキャッチコピーと共に、パーソナルカラーは脚光を浴 びました。しかし、さまざまな問題点もありました。それはパーソ ナルカラーリスト(パーソナルカラーを分析する人)の質が悪か ったことです。

・感覚だけで似合う色を決め付ける。
・色彩学もろくに知らないカラーリストが多い。
・ただ単に「似合う。似合わない。」とだけ言う。

これらの問題の背景として、

・新しい分野であったので、試行錯誤の段階であったこと。
・パーソナルカラーの位置づけがはっきりしていなかったこと。
・パーソナルカラーや色彩学の正しい知識を持っている人が少なかったこと。
・パーソナルカラーはアメリカ人向けであったこと。(日本人向けで はない可能性もある。)

要は「なんでもありの無法地帯」に近い状態でした。色彩経験が二〜三日の人でも プロを名乗ることはできたし、それに歯止めをかけることもできませんでした。極端な 話、色彩の知識がなくたって、口がうまかったりカリスマ性があればやっていける・・・ このようなことがまかり通った面もありました。(ちなみに現在はまかり通りはしないであろう。)

またパーソナルカラーにはさまざまな流派があります。 「4分類派」「2分類派」がほとんどであるが、他にも「8分類派」「7分類派」 「16分類派」などさまざまな派閥があります。(しかも「4分類派」の中でも更に 細かい派閥がある。)派閥が多すぎると、お互いに知識や技術を 伝達するのが非常に難しくなります。ブラックボックス状態になりやすいともいえます。

このような積み重ねが、業界への不信感につながるといっても決しておかしくはありません。 (というか、俺もパーソナルカラーに関しては、かなり懐疑的であるが・・・) 口の悪いデザイナーは、いい加減なカラーリストを、「カラーコーディねーちゃ ん」と呼んでいたようです。

色の検定とパーソナルカラー

1980年代、パーソナルカラーは日本でもヒットしましたが、すぐに下火になりました。 しかしパーソナルカラーは、占い的な面もあったので、完全に消滅しません でした。(パーソナルカラーも占いもクライアントはほとんど女性。)  1990年代後半、色彩検定やカラーコーディネーター検定試験など「色の資格」 が広く浸透しました。その結果、色に興味を持つ人が増え、パーソナルカラーも再び 注目され始めました。色がらみの仕事もメディアで取り上げられるようになり、 パーソナルカラーリストと呼ばれる職業もけっこう有名になりました。

こうなると、一昔前のような「だれでもカラーリスト状態」ではいけません。 不信感を買ってしまいます。つまりカラーリストも変化せざるを 得ない時代がやってきたのです。(というか、一昔前のままだったらマジでやばい。)パーソナルカラ ーリストであるトミヤマ・マチコは、以下のような対策が重要であると言っています。

・パーソナルカラー診断の根拠の明確化。どのような基準で似合う色や似 合わない色を評価するのか?
・パーソナルカラリストが身につけるべき知識や技術にはどんなものがあるのか? またどのような知識がパーソナルカラーを診断をする上で重要であるか?重要でないか?
・パーソナルカラーリスト同士が交流、情報の交換、研鑽する場所を設ける。
・パーソナルカラーの正しい知識をどのようにみんなに伝えるかを検討する。

キーワードは「明確性」と「伝達性」です。というか一刻も早く、目標を達成するように 努めないと本当にやばいです。繰り返し言うが、昔のままだと未来はかなり暗いです。 このような目標は、達成していないのが現状です。

しかし最近では、「パーソナルカラー協会」(色彩学会の一部)が発足され、 パーソナルカラーに関する発表会や講演会が盛んです。 またこの協会ではパーソナルカラー検定を行っています。パーソナルカラーを行 う際に必要な知識が問われる検定です。

「好きな色」と「似合う色」の違い

「好きな色」と「似合う色」は違うことがあります。自分が好 きだと思う色でも、似合わないケースも少なくありません。ま た「好きな色」を決めるのは自分だけですが、「似合う色」を決 めるのは自分だけでなく他人の評価も関わっています。つまり 「好きな色」は主観的な要素が強く、「似合う色」は客観的な要 素が強いのです。したがって「似合う色」を知りたいのなら、 「自分のことは自分が一番知っているんだ」という思い込み を捨てるべきです。好印象を与えたいなら、第三者の目を意 識することはかなり重要です。好きな色と似合う色のメリッ トとデメリットを挙げると下のようになります。

好きな色 メリット:自分の心を癒してくれる。気分がよくなる。 デメリット:相手に不快感を与える恐れもある。

似合う色 メリット:第三者によいイメージを与える。自分のよさを最大限にアピールできる。 デメリット:第三者を意識しすぎると、当たり障りのない色ばかりになる。

もちろんここでは似合う色について解説しますが、好きな色は 自分の心を癒すというメリットがあります。たとえ似合う色と 好きな色が違っても、好きな色を大切にしてくださいね。

似合う色について

Aさんには似合う色でも、Bさんには似合わない色がありま す。それでは似合う色が決まる要因は何でしょうか?まず重要 なのが肌の色です。なぜなら服は人間が着るものであるからで す。いくらきれいな配色が服でも、肌の色とマッチしないと、 ちょっと具合が悪いです。後、見逃してはいけないものは、 髪の色や目の色です。特に最近はヘアカラーやカラーコン タクトをする人が増えてきたので、これらの要素を無視して は絶対にいけません。日本人なら肌も目も髪の色も同じじゃ ない、と考えている方は、まずその考えから改めましょう 。まわりをよく見てください。人によって微妙に色が違う はずです。

したがって似合う色は人によって違います。また個人個人 の似合う色のことを、パーソナルカラーと呼びます。パーソ ナルカラーリストは、クライアントの肌や目そしてヘアカラー などを分析して、似合う色(パーソナルカラー)をアドバイス する職業です。

似合う色を身につけると、服の色とボディカラー(肌、目、髪 など)が調和し、全体的に色が自然で整った印象になります。また似 合わない色をつけると、全体的に不自然に見える恐れがあります。

似合う色
・ 肌に透明感、つや感が現れる。
・ 若々しく見える。元気に見える。
・ しわなどの欠点が目立たなくなる。
・ 雰囲気に合っている。

似合わない色
・ 肌がくすんで見えたり、赤ら顔に見えることがある。
・ 老けて見える。疲れて見える。
・ 欠点が目立つ。
・ 違和感がある。不自然に見える。

しかし似合う色ばかりに固執すると、ものすごく無難に見 えて面白みにかけるといった欠点もあります。何を着たら いいか分からないと思うときは、似合う色を参考にコーディ ネートすると良いと思います。それでは似合う色はどのよ うに探すのでしょうか?次回は、似合う色の分析の基礎の 基礎を紹介します。

イエローベースとブルーベース

パーソナルカラーはどのように分析するのでしょうか ?ここではパーソナルカラーを分析する上で非常に重要な 事項である「イエローベースとブルーベース」について紹 介します。

「すべての色はイエローかブルーのどちらかである。」とアメ リカのロバード・ドアは唱えました。つまりすべての色に は、黄色よりの色(イエローベース)と青みよりの色(ブ ルーベース)の二種類があるのです。

イエローベース:暖かい感じの色。黄色よりの色。
別名:ゴールドベース、イエローアンダートーン、ウォームベース、キイ2

ブルーベース:冷たい感じの色。青みよりの色。
別名:シルバーベース、ブルーアンダートーン、クールベース、キイ1
 

たとえば赤にも、黄色よりの赤(例:朱色)と青みよりの赤 (例:ルビーレッド)があります。ピンクもサーモンピンク( イエローベース)とマゼンタ(ブルーベース)では、全然 イメージが違います。

それでは肌色はどうなるのでしょう?メイクをしてい る人なら知っていると思いますが、肌色にはオークル系 とピンク系があります。オークル系は黄色っぽい肌で 、イエローベースにあたります。ピンク系は赤っぽい 肌で、ブルーベースに当たります。

仮にAさんの肌がバリバリのブルーベースだと します。それでは服の色をアドバイスするとき、ど うしますか?この場合は、ブルーベースの色(青 みよりの色)の服をオススメすると、うまくいく ことが多いです。同じベースの色の組み合わせは 、調和することが多い。違うベースの色の組み 合わせは、不調和になることが多い。非常に重 要なことであり、パーソナルカラーのすべてとい っても過言ではない。もちろんそれだけで、似合 う色を決め付けるのは問題ありますが、肌色のベースを見極 めることは、似合う色を分析する上で非常に重要な事項です。

パーソナルカラー分析で、最も重要でなおかつ最初にするこ とは、肌のベースを見極めることです。

フォーシーズンカラー

前回は、色はイエローベースとブルーベースの2グループに分かれ ることを、紹介しました。またイエローベース同士の配色、ブルーベー ス同士の配色は調和することも説明しました。しかし色のグループ 分けの仕方は、2分類法だけではありません。とりわけ有名なのは 、フォーシーズンカラーといって、色を4分類する方法です。

他にも7分類、12分類、16分類など流派によって様々です。し かしどの分類法も、イエローベースとブルーベースの分類が 基本になっています。ここではフォーシーズンカラーを中心 に取り上げます。

■ フォーシーズンカラーの分類方

「イエローベース」「ブルーベース」は、さらにトーンなどに よって「透明感のある明るい色(ソフト)」と「深みのある強い色 (ハード)」の二つにそれぞれ分類できます。その結果、4つの 分類が得られ、「フォーシーズンカラー」と呼びます。各シーズ ンカラーには、色の特徴(色相やトーン)があります。シーズン 内の色を用いて、コーディネートすることによって、調和の取れ たカラーコーディネートが簡単にできます。

イエローベース→ SOFT:スプリングタイプ(春) HARD:オータムタイプ(秋)
ブルーベース → SOFT:サマータイプ(夏)   HARD:ウィンタータイプ(冬)

■ フォーシーズンの色の特徴:すごく重要

イエローベース
 色相が黄みに寄っている色の総称です。イエローベース には、春と秋の色の二種類があり、全体的に暖かくカラフ ルな印象です。

スプリングタイプ
 暖かみがあって澄んだ色が似合うタイプです。イエロー ベースで、春をイメージさる明るく若々しい色がパー ソナルカラーとなります。

・ 明度:全体的に高い。
・ 彩度:純色を含め高低どちらでも似合う。
・ トーン:明清色調が極めて多い。

オータムタイプ
 暖かみがあって落ち着いた色が似合うタイプです。 イエローベースで、秋をイメージさせる、深くくす んだ色合いがパーソナルカラーとなります。

・ 明度:全体的に低い。
・ 彩度:高彩度から低彩度までかなり広範囲。(春ほどは広くはない。)
・ トーン:中間色調、暗清色調が多い。

ブルーベース
 色相が青みよりの色の総称です。ブルーベースには、夏 と冬の色の二種類があり、全体的に、冷たくて澄んでいる イメージです。

サマータイプ
 涼しさがあってくすんだ色が似合うタイプです。ブルーベース で、夏をイメージさせる明るい色や、グレイッシュで柔らかな色 がパーソナルカラーとなります。

・明度:比較的高めの色が多い。
・彩度:中彩度が多く、あまり高くない。
・トーン:中間色、清色の両方がある。

ウィンタータイプ
 涼しさがあって鮮やかな色が似合うタイプです。ブル ーベースで明彩度がはっきりした色や、冬をイメージさせ るモノクロームがパーソナルカラーとなります。

・明度:高明度と低明度の両端がある。
・彩度:高彩度と低彩度の両端がある。
・トーン:ほとんど清色系。

■ フォーシーズンの分析方法

フォーシーズンカラーの分析方法はすごく複雑にな るので割愛します。2分類法と同様に肌のベースを見極める ことが大きなポイントです。機会があったら書こうとは思いますが、 かなりの色彩学の知識が必要です。

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