スポーツと色彩〜前半

なんだこれは?スポーツ記事でも書くのか?と思う方もいるかもしれません。 今回のテーマはスポーツです。ただ色彩的観点で見ます。「このチームが好きだから。」 ってことは全く触れません。ですので「アンチX」と言う方でも極めて安全な コーナーです。

スポーツにはユニフォームがあります。野球、サッカー、ラグビー、 柔道、剣道、バレー、バスケなどなど、ユニフォームと関わっているスポーツは 非常に多いです。またユニフォームがなくても、スポーツをするための衣服は、 そのスポーツをするのに、適切な機能があるべきです。(ユニフォームはもちろん それらをある程度配慮している。)たとえば、外で動き回るスポーツは、動きやすく、 通気性の良い服が望ましいです。水泳や陸上のように、タイムが要求されるスポ ーツは、軽い服の方が良いです。

それではユニフォームで、色が関わるのはどのようなときでしょうか? それは敵と区別することが必要なときです。例えばサッカーの場合、競技規則 第四条でこのようなきまりがあります。

試合のときは、自分のチームが登録したユニフォームを着る。 対戦する両チームのユニフォームの色やデザインが似ている場合、 両チームが話し合って、片方のチームが別のユニフォームを着る。 そのためチームは、異なった色のユニフォームを2種類以上用 意する必要がある。ただしゴールキーパは、他のプレイヤーや 主審と区別がつく色の服を着る。

両チームの区別の必要性が良く表れています。敵味方を区別をするのに、 色をうまく使うのです。たしかにチームで行うスポーツは、敵味方の区別をつけておか ないと、紛らわしいです。知り合い同士で遊ぶならともかく(それでも しょっちゅう間違える)、大会で試合するときは、敵味方の区別がつきにくいと、 審判もプレイヤーも混乱してしまいます。サッカーだけではありません。 バスケやラグビー、アメフトもそうです。

このように集団で行うスポーツは、敵味方を区別する必要が多いです。

一方で、テニスや陸上,剣道,柔道のような個人で行うことが多いスポーツは、 色で敵味方を区別つける必要性は薄いです。審判も二人くらいなら区別がつきますし、 プレーヤーも自分以外は敵です。

敵味方を区別つけるために色を使う、色によって物事を識別しや すくする。このように色によって物事の区別をつけたり、識別しやすくする 色の働きを、色の識別性と言います。使われている例として、 トイレの男女の区別(男は青、女は赤になって いることが多い。),JR路線図,信号(赤は止まれ、黄色は注意、青は進め) などがあります。サッカーでも、レッドカードやイエローカードなど、 退場と警告を、カードの色で区別していますね。


プロスポーツの世界になると、色の使い方の事情がちょっと違 ってきます。また社会人チームもそうです。両者の共通点は、利益が絡 んでいることです。色で敵味方を区別するのはもちろんです。(特にチー ムプレイスポーツ)しかしチームカラーの選定は、自分の会社やスポーサーを アピールしたり、企業やブランドのイメージを表現したりすることもあるのです。 つまりチームカラーは、CIカラーBIカラーのような役割もあるのです。

CIカラー(corporate identity color):企業を表す色

BIカラー(brand identity color):ブランドを表す色

CIカラーやBIカラーは、団体スポーツだけでなく、個人スポーツでも そうです。企業やブランドが絡むと、色を識別に用いるだけでなく、 自社をアピールする材料にもなります。

例えば食品業界のチームなら、食品を連想させる色(赤、オレンジ、 黄など)がメインのユニフォームをデザインすると思われます。清涼飲 料水業界なら、爽やかさをイメージさせる青や水色を使うかもしれません。 もちろん差別化をはかるために、他の色を使う手もあります。

たかが色と思うなかれ。人間は視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚の五感によって、 様々な情報を得ています。私たちは情報の80%を視覚によってゲットしていると 言われています。視覚の中で色は絶対に無視は出来ません。物を見ることは、 色を見ることなのです。

企業は利益を上げるために存在します。儲けたくない企業なんて、 まずありません。儲けるためには、良いイメージ作りが肝要です。 あと自分の企業をアピールする必要もあります。プロモーシ ョンビデオやCM,ポスター,ウェブサイト,雑誌など、企業をアピールする 手段はいっぱいあります。商品パッケージのデザインも無視出来ま せん。これらのメディアは、自分の企業を、視覚によって伝えています。

色や配色を無視して、これらの活動をやみくもに行っても、 アピールにならないこともありえます。例えば健康食品業界で、 自社の健康食品(ダイエット茶)をアピールするとき、 パッケージのデザインの色が「蛍光のピンク」だったら、非常に分かりにくいです

プロスポーツも、会社側から見れば、 利益に変換するためのツールです。自分の企業をアピールする材料に もなります。ユニフォームはチームを表しています。 企業のイメージを、効率よく伝えるのに、色は無視出来ません。

話がそれてしまいました。以上のことをまとめる と、ユニフォームの色の使い方が、以下の 観点によって、変化すると言えます。

・個人スポーツか?チームスポーツか?

・スポーツによって利益(金)が絡むか?

ここまでの内容は様々なカラーの本に載っています。「識別性の例として、 ユニフォームがある。」という記述は、識別性の例を説明するのに、格好の 例です。

しかし話はまだ終わりません。こんなことでまとまるほどスポーツは 甘くありません。実はチームプレイスポーツでも、上のような考えかたでは、 上手く説明できないスポーツがあるのです。それもみなさんが、大変良く知 っているスポーツです。

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