食:ダイニングカラー

「見た目も味のうち」と言います。ダイニングは味だけでなく、色も非常に重要です。 すごくおいしい米である魚沼産ササニシキも、青の食紅で青くしたら、 おいしくは見えません。ここではおいしそうに見える色使いに関 して検証します。


■ 食べ物の色

まず食べ物の色について検証してみましょう。スーパーに行ってみてください。 そして食材を見てください。どんな色の食材が多いですか?まずは赤〜黄色の暖色系 の食材が圧倒的に多いです。次に野菜の色も見逃せません。黄緑から緑の食材もけっこう あります。あとは茶色やベージュや白なんかもあります。ここで食材でめったに無い色は、 青や紫です。紫の食材といったら、なすびかぶどうか紫キャベツ くらいのものです。青においては、鯖の皮かアマエビの卵くら いしか思いつきません。

食材の色の殆どは、色みが「赤・オレンジ・黄・黄緑・緑」です。 (ちなみに茶色やベージュの色相はオレンジ。)「青・紫」は 簡単に見つかりません。つまり私たちは「食べ物といったら赤〜緑がおなじみだ。」 と無意識のうちに考えています。逆に言うと「青や紫」は、食べ物のイメージとしては ピンとこない色であり、なじみが薄いです。「青い米」や「青いソースが かかったハンバーグ」なんて見ると、奇異さを感じてしまい、食べられない人も いるかもしれません。(まぁ紫の米なら、ゆかりご飯があるからまだ大丈夫か。)


■ 料理を引き立てる色使い

食べ物の色の特徴が分かったら、次はおいしそうに見える色使いを 考えましょう。

1.反対色をうまく生かす

食べ物をおいしく見せるには、料理を引き立たたせること が重要です。食べ物の色は「赤−オレンジ−黄−黄緑−緑」 が多いです。また赤と緑は反対色の関係であり、反対色の組み合わ せは、お互いの色を目立たせる効果があります。

寿司は、海老やマグロ,いくら,トビコ,すじこなど、 赤系のネタが多いです。そこで緑のバレンを寿司に添えると、 赤みが引き立ちおいしそうに見えます。他にスパゲティーナ ポリタンを食べるときは、緑や青の模様があるお皿を使うと、 「おいしそう度」がアップします。

単調な配色の料理も、ちょっと反対色を加えれば、ぐっと 引き立ちます。例えばグリーンサラダの場合、アクセントであ るミニトマトを加えると効果的です。グリーンだけよりは、 おいしそうに見えますね。お弁当でも、ミニトマトや梅干やア スパラは、アクセントに使えるアイテムですね。

和食の例。普通の海老てんぷらのそばです。三つ 葉の緑が重要なアクセントであることが分かりますね。

次は洋食の例。色とりどりの食材が食材がそろっていますね。 野菜の緑がキーポイントであることが分かります。もし緑がまったく入っていないと、 ちょっとさびしいです。食品の色の数が多ければ多いほど 賑やかなイメージになり、色数が少ないと静かなイメージになります。

ワインも色が変わるだけで、食事のイメージが変わります。赤ワインなら高級、上品、 深いイメージ、白ワインならすっきりしたイメージが出せますね。

最後に中華の例です。ごく普通の春巻きであるが、緑のパセリが効いています。 また食器の色もほぼ反対色である青緑を使っていますね。「青緑−青−紫」の食材は、 滅多にありませんが、食器なら結構あります。これらの色も暖色系を引き立たせる効果が あるので、利用してみましょう。

「料理に反対色を加えられない場合、どうすればいいの?」と聞く方も いるかもしれないので、ここで答えます。例えばうな丼は、サンショウを加える以外、 トッピングするのは難しいです。まさか豆やきゅうりを、うな丼自体に加えるわけには 行きません。こんなときは付け合せを考えましょう。味噌汁や漬物に緑を取り入れるのです。 または緑色が入っている食器を使う手もあります。

ポイント
・メイン料理の反対色の食べ物を加える。(例:グリーンサラダ+ミニトマト)
・メイン料理の反対色の模様が入っている食器を使う。(例:ナポリタン+緑の模様がある食器)
・メイン料理の付けあわせの色を検討する。(例:うな丼+緑の漬物)

2.料理と同じものを濃淡で使う

同じ色みの濃淡を使うと上品でしっとりしたイメージになります。例えば 肉じゃがを食べるとき、こげ茶や薄い茶色,ベージュなどの食器に盛ると 効果的です。

3.料理の中から1つの色を取り出して使う

サラダなどマルチカラーの料理を出す場合は、その中のポイントとなる色を 食器に使う方法があります。たとえばレタス+トマト+きゅうりのサラダなら、グリーンが入っている 食器がいいです。また自然をイメージさせる、茶色やコルク色のボウルを使うのもgood 。

4.黒の食器を使う

無彩色の食器を使ってみるのも良い手です。無彩色は「単調な色」「 味気が無い色」と感じるかもしれないが、「単調な色」であるからこそ、 食材のひきたて役になります。テーブルコーディネートのとき、 シックですっきりしたイメージを出したいと思ったら、無彩色の食器 やテーブルクロスを使うと良いかもしれません。

黒の食器は、食材の色を引き立てる効果が白より強いので、料理を 高級そうに見せたいときには、超オススメです。 例えば寿司の種は、漆黒の器に盛られると最も色みが増し、 鮮度が高いように見えます。また洋服の生地をほぐすと、黒糸が 混じっていることがあります。黒糸が色糸の発色を良く しているのです。このように黒は、色みをプラスする効果 があります。

逆に軽やかさやさっぱり感を出したいなら、白の食器が良いです。 灰色は中間的なイメージがあるので、使うときは慎重になりましょう。 下手すると料理がぼやけて見える恐れがあります。

5.暖色系の食器を使うとなじみがよくなる

食べ物の色みが「赤〜緑」であることを知れば、食器の色も「赤〜緑」の色を 使えばなじみが良くなります。これは覚えておいても損は無いでしょう。またダ イニングルームの色も暖色系を中心にコーディネートすると、「おなじみ感」が 強くなります。

しかし食器やダイニングルームに寒色系を使ってはいけないかというと、 そうとは限りません!!


■ 暖色系+緑が全てではない!!

あるテレビ番組で、キッチンのカラーコーディネートをする番組があって、 カラーコーディネーターが「食器は暖色系!!」と言ったが、 奥さんが「寒色系だって使えるんじゃない。」と言っても、カラーコーディネーターは 「暖色系の方が良い」との一点張り。

これは奥さんの方が正しいです。確かに食材は暖色系+緑が中心で、寒色 系の色はあまりありません。そのため私たちは、暖色系+緑の方が、寒色系より 、食べ物のイメージをします。だから「青色の米」はとても食べる気が起きません。

しかし食器の場合は別です。食器は食べるための道具であるが、直接食べるも のではないからです。青は、反対色である黄色やオレンジを引き立たせる効 果があります。それによって食べ物がおいしく見えます。(食べ物は暖色系が多いからね。) 食材の法則を、食器にそのまま当てはめることはできません。食べると食べないの差は かなり大きいです。

例えばこの写真。

「寒色系はタブー」は間違いである例。(フレイさんが作った納豆ミートパスタの例)

「食器が青であるせいで、まずそうに見えて食えない!!」 って人はまずいないでしょう。(そんな奴がいたら見てみたい。) ただパスタや納豆自体が青色であったら、引く人はいるかもしれません。 青の食器は、パスタの色を引きたたせる効果があります。食材に 青が不向きだからって、食器やテーブルクロスは「青はダメ」かというと、 そんなことはありません。

食べ物でも、青を使う例として、カキ氷のハワインアンブルーがあります。 青は寒色系なので、涼しいイメージがあり、暑い夏にはうってつけの色です。 涼しいイメージやさわやかなイメージを出すのに、スポートドリンクやアイスの パッケージには青がよく使われます。青も場合によっては、結構使える色 ともいえますね。


■ ダイエットと色彩

なかなかダイエットに成功しない人は、ダイエットに色を取り入れると 少しは効果があるかもしれません。

1.満腹感がある色を使う

ダイエットは、食べ過ぎるとなかなか成功しません。そこで少しでも 満腹感がある色の食材を、食べると良いです。満足感が得やすい食材は、 黒や茶色のようなどっしりとした色です。無意識に少ない量で、「沢山食べたな」 と思わせる効果があります。

ゴマを使うときも、白ゴマよりは黒ゴマの方がいいです。 食パンに塗るものも、バターよりはゴマペーストの方が良いですね。 シチューよりはビーフシチュー、白いご飯より炊き込みご飯など 色々考えられますね。

2.食欲をそそらない色を使う

黒やグレーなどの地味な色、青や紫など食材になじみが無い色を 使うと、食欲が減退します。しかしこれをやりすぎると、ストレスがたまったり、 食欲が爆発したりなどの可能性もあるので、注意する必要があります。

3.明るい色の食器を使う

食器の色も重要です。オレンジや赤で描かれている絵皿を使うと、 気分が高揚し、多少薄い味付けでも満足します。色彩心理を利用する パターンです。

また高級感がある食器を使うのも良い方法です。 ぜいたくな気持ちになり、自然とゆっくり食べるので、少量でも 満腹感が得られるのです。


■ 味覚と色彩

味覚と色彩とは密接な関係があるそうです。ここでは様々な味覚をあらわす色を 紹介します。生涯学習社の「色彩検定1級2次問題集」を参考にしました。

辛い

甘い

すっぱい

しょっぱい

さっぱり

こってり

味覚とカラーイメージを知っていると、料理だけでなく、 テーブルコーディネートや食品のパッケージのデザインなど、 にも使えます。例えば「辛さを売りにしたカレー」のパッケージを 考える場合、辛いと感じる色をメインに使うと、「このカレーは辛いんだ」 というメッセージをみんなに伝えやすくなります。お客さんにとっ ても分かりやすいです。

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