企業におけるレベルスケール

カラーリングレベルスケールとは、ヘアカラーの色見本です。1番を黒 髪、20番を白髪として、髪の明るさを表します。1〜4番までをバ ージン毛、5番〜15番を既染毛、16番以上を白髪と区分すること が多いです。

この色見本は、理容・美容学校や業界を中心に使われてい ます。なぜ使われているかは、色を少しでも知っていれば分 かりますね。ヘアカラーを規格化するためです。「暗い茶色 の髪にして。」と言われても、俺が思っている暗い茶色と、 お客さんが思っている暗い茶色では、ぜんぜん違う色であ ることもあります。茶色といっても、いろいろな茶色があ るのです。色を正確に伝えたいとき、言葉で表現すると 、お互い不都合な場面があります。そこで色を記号化・ 数値化したり、色見本を表示することによって、色に関 するトラブルを防ぐのです。

このレベルカラーが最近では、様々な 企業で使われています。

■ 背景

一昔前は不良のシンボルであった「チャパツ」が、最近では ファッションとして広く取り入れられています。 当時はあれほど反対していた年配の人も、 「白髪染め」を平気で行っています。市場調査によると、ヘアカラーをし ている人は、およそ70〜80%(2002年)との報告も あります。

しかし企業は、ヘアカラーによって会社のイメージが悪 くなってしまうのではないかと、不安に思い(⇔ヘアカラーに 偏見をもち)、ヘアカラーを禁止している企業も少なくない です。だがここまで市民権を得ているヘアカラーを、簡単に蹴るのは 、従業員に時代遅れといわれても、決して不思議ではありません。

またヘアカラーOKの企業でも、そのヘアカラーの判断基準と して「栗毛色」「明るい茶色」「暗い茶色」などの色名を 用いる現状があります。企業が用いる基準としてはあまりにも 曖昧すぎると、問題視されることもあります。(まぁ確かに曖昧す ぎるよな。)そこで企業は「レベルスケール8以下ならO K」と、ヘアカラーのはっきりとした基準が欲しくなりました。

■ レベルスケールを使用している企業例

このような背景があって、レベルスケールが公表されて から、ヘアカラーの明確な基準を望んでいた企業から 問い合わせが殺到し、今では数千社の企業が、ヘアカ ラーの明るさの基準として採用しています。その一 例として、以下のような企業があります。

・日本航空、日本エアシステム:6レベルまで認可
・ホテルオークラ:7レベルまで認可
・三越(日本橋本店):7レベルまで認可
・UFJ銀行:7レベルまで認可
・コジマ:7レベルまで認可
・プランタン銀座:10レベルまで認可

理容師・美容師がヘアカラーの明るさの基準を持つこと は、意思の疎通をはかる上でも、非常に重要なことです。また 企業内でのヘアカラーの基準作りに、レベルスケールの果た した役割は大きく、今後も多くの企業で取り入れられると思 われます。

■ レベルスケールの課題

レベルスケールを利用するときに、 どのような問題が生じるか、どのようなことに気をつければ いいのか?、俺が考えたことを載せます。(これに関して言及している サイトや本は、いまのところ見つかっていない。)

・髪の質は人によって違う。ヘアカラーの退色するスピード も人によってかなり違う。染めた直後は基準内でも、一ヵ月後は 退色によって髪が明るくなることもある。退色したときは、どのように 対処するのか?(まさか、簡単に「黒髪に戻せ」とは言わないだろうな? )

・メタメリズム。照明条件に気配りできるか?照明が違うと、色の見え方も違う。

・色見本をちゃんと取り扱えるか?色見本を直射日光にさらし続けると、変色してしまう。そうすると明確な基準が台無しに。

色見本の信者が生まれやすい。色見本に執着しているバカが生まれやすい。

以上の点を踏まえたうえで、レベルスケールを使うなら問題は少なくなりますが、果たして普通の企業人にそんなことできるか?というと、クエスチョンマークがつきます。色見本をちゃんと扱うなら、色の勉強がある程度必要になります。(色を扱うんだから。)色見本は、一般人でも簡単に取り扱えそうに見えますが、取り扱いを間違えると、トラブルが起こりえます。(例えば色見本自体が、退色したり)

対策は色について知ることであるが、それが難しければもっと簡単な 方法があります。

それは「レベルスケールは参考程度に留める。」ことです。会社の規定より少し明るい場合は誤差程度と受け止めるべきです。注意するときも、いきりたって注意するのではなく、相手の事情をちゃんと聞くべきです。脱色によって明るくなっただけかもしれません。あるいは照明条件によって明るく見えるだけかも・・・。

レベルスケールを「校則」のように扱うのもやめましょう。研修などで、スケールを頭に当てたり、「この髪の色は9じゃないか」と責めるような言い方はNGです。(まぁこれはモラルの問題だが。)

あと色見本は絶対視してはいけません。色見本を絶対視することがいかにアホであるかを、パーソナルカラーを例に紹介します。

参考:パーソナルカラーの色見本

パーソナルカラーリストとは、お客さんの肌の色、目,髪,顔立 ちなどから、似合う色のアドバイスを行います。具体的には、色を四 グループ(フォーシーズンカラーと呼び「春」「夏」「秋」「冬」の四種類) に分けて、クライアントの要素を分析することによって、 「一番似合う色は「冬」ですね。」とアドバイスします。 診断時間はサロンによってまちまちであり、1.5〜2時間が主流です。

そして診断が終わると、似合う色のグループの 色見本(カラースォッチ)がもらえます。 自分の似合う色の服を探す際に、とっても便利なツールです。

パーソナルカラーは、日本では1980年はじめに流行りましたが、数年で 下火になりました。(この背景を述べるとコンテンツひとつ位の量に なるのでカット。)しかし最近、色に関心を持つ人が増え、 パーソナルカラーが少しづつではありますが、メジャーになり つつあります。

しかしメジャーになると(⇔大衆化すると)、いろいろなトラブルが 顕著化するのが、世の常です。どのようなことが、 起こったかというと、パーソナルカラーの色見本とまったく同じ色 の服を血眼に探す人が現れたのです。

その「色見本絶対信者」は、店内にカラーサンプルを持参して、 「この色と同じ服はありませんか。」とある一色にこだわって しまいます。その色に比較的近い色や、同じ傾向を持ってい る色でも、「その色じゃなきゃダメ」の一点張りで、 試着しようともしないのです。これじゃあ販売員も困っ てしまいます。

色見本はあくまでも参考です。似合うグループの色見本を鵜呑みにして 買い物に行くより、似合う色のグループの傾向(色相、明度、彩度、 トーンなど)を理解して買い物に行ったほうが、選ぶ色の 幅が広がります。パーソナルカラーリストは、似合う色のグループの傾向を しっかりアドバイスするべきです。「似合う−似合わない」と言うだけでは、 カラーリストは絶対につとまりません。

色見本以外の色でも、似合う色は山のようにありますし、 似合うグループの色以外でも、コーディネートしだいでは使えるケースが 千も万もあります。パーソナルカラーばっかりにしがみつくと、 それこそ没個性の道を歩くことになります。

パーソナルカラーの例でありますが、「色見本が絶対だ」と言い切 ることが、いかに危険かを述べました。レベルスケールを扱う際は、 これらのことを肝に銘じておくべきです!!

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