染毛剤の種類

染毛剤は以下のような種類があります。

永久染毛剤: 医薬部外用品
脱色剤・脱染剤:医薬部外用品
半永久染毛料:化粧品
一時染毛料:化粧品

ここで注目したいのは、医薬部外用品は髪へのダメージが大きく、化粧品はダメージが小さいところです。それぞれについて、順番に説明します。


■ 永久染毛剤

永久染毛剤は、酸化染毛剤と非酸化染毛の二種類に分類されます。俺達がよく使っているのは酸化染毛剤(通称ヘアカラー、おしゃれ染め、白髪染め、ヘアダイ、アルカリカラー)で、非酸化染毛剤はあまりメジャーではありません。両者の違いは、発色のプロセスです。

1. 酸化染毛剤

酸化染毛剤:酸化染料がコルテックス内で、過酸化水素水による酸化重合反応を起こし、色素を発生させる。

特徴
・色は2〜3か月持続する。
・黒色の毛髪も明るく染毛できる。
・人によってはかぶれることもある。(そのためパッチテストが必要。)
・紫外線による退色がある。

俺たちがよく使っているのがこの酸化染毛剤です。通常ヘアカラーというと、酸化染毛剤を指します。 酸化染毛剤には、1剤と2剤があります。1剤には、主にアルカリ剤、酸化染料、調色剤(カプラー)、直接染料な どが配合されています。2剤には、主に過酸化水素水が入っています。

まずアルカリ剤がキューティクルを開き、その隙間から酸化染料が入ります。コルテックス内に入っ た酸化染料は、第2剤に配合されている過酸化水素と反応し、これによって巨大な色素の分子が作られ、 色素はコルテックス内に長くとどまります。

過酸化水素水は、髪の中にあるメラニンを分解する働きがあります。そのため毛髪の明度を上げながら毛を染めることができ、黒く染める「白髪染め」から、暗い髪を明るく染める「おしゃれ染め」まで、幅広い染毛ができます。

過酸化水素水は、メラニンという黒い色素を分解するので(⇔明るくするので)、白髪染めのように暗く染める場合は、過酸化水素水の濃度(オキシ濃度)は小さくても良く、逆に髪を明るく染める場合は、オキシ濃度を大きくする必要があります。

ここで用語を二つ。

リフト力:ブリーチして髪を明るくすること。オキシ濃度が大きいとリフト力は大きいといえる。
ティント力:色素を入れること。色素量が大きいとティント力は大きいといえる。

白髪には、ブリーチして明るくするリフト力はほとんど不要で(髪が白いから)、色素を入れるティント力はかなり必要です。黒髪の場合、必要とされるリフト力とティント力は、目的とする髪の色の明度やトーンによって、異なります。例えば黒髪から暗い茶色にする場合は、リフト力もティント力もあまり必要ではありません。

2. 非酸化染毛剤

非酸化染毛剤:コルテックス内で、鉄イオンとフェノールの反応により、 色素を発生させる。

特徴
・かぶれやすい人にも使える場合がある
・脱色作用がないため、黒または黒に近い色にしか染まらない。
・パーマがかかりにくいこともある。(鉄イオンが残存する影響で)
・髪の手入れが不十分な場合、髪を傷める可能性がある。

■ 脱色剤・脱染剤

脱色剤はブリーチとも呼ばれ、メラニンを 分解するもので、原料として過酸化水素水(H2O2オキシドールとも呼ぶ。)が用いられています。ちなみに強い酸化力を得るために、過酸化水素水にアンモニアを加えます。髪を染めるとき、刺激臭がするのはアンモニアのせいです。刺激臭を打ち消すために、さらに香料を加えることもあります。

脱染剤は、メラニンと染毛によって毛髪中に作られた色素を脱色するものです。脱色剤より皮膚刺激が強いです。過酸化水素水+アンモニアに加えて、過硫酸塩などが入っています。これによって、さらに強い酸化力が得られます。皮膚が弱い人は取り扱いに注意が必要です。

■ 半永久染毛剤

カラーリンス、カラーマニキュアがこれにあたります。毛髪のキューティクルに、染料をコーティングします(イオン結合を作る)。注意したいことは、マニキュアを皮膚に付けないことです。付いてしまうと、落ちにくいです。脱色を行わないので(⇔メラニンを分解しないので)、髪へのダメージは比較的小さいですが、表面に吸着した色素が剥がれ落ちるときに、キューティクルまで剥がれてしまうことがあります。

・色持ちは約2〜3週間。
・かぶれ、髪の傷みがあまりない。
・シャンプーによって、少しずつ色落ちする。汗などでも色落ちする場合も。
・ベースの色が暗い場合、極端に明るくすることはできない。
・皮膚に染まりやすく、付くととりにくいので、扱う際は注意が必要。

■ 一時染毛料

カラースプレー、カラースティック、カラークレヨンなどがあります。着色剤が毛髪表面に付着して、色が付きます。ただし汗などでも、色が落ちてしまうので、夏にスポーツをするときは、むやみに使わない方がいいかもしれません。

・かぶれ、髪の傷みはほとんどない。
・1度のシャンプーで色が落ちる。
・気軽に使える。


■ ヘアカラーを行う際の注意点

パッチテスト(皮膚試験)

「俺は別にかぶれないから大丈夫!!」と思い込んでいると、体の具合や体質の変化によって、ある日突然かぶれることがあります。このような事故を避けたいなら、毎回パッチテストを行うことを薦めます。かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)は、染毛後24〜48時間後に発生するので、テスト結果は48時間後でないとわかりません。ちなみに今のところ、これに代わる簡便で確実なテスト方法はありません。

ちなみに美容室はパッチテストを行わずにヘアカラーを施しているのが現状です。アレルギーが心配な場合、 予約の際にその旨を伝えて、二日前にパッチテストを行ってもらうようにしましょう。良心的な美容室なら、ちゃんと対応してくれるはずです。またヘアマニキュアなど、アレルギーの心配がないカラーリングの方法を選ぶのもひとつの手です。

パーマとヘアカラーを行うのはダメ

パーマとヘアカラーを一緒に行ってはいけません。カラーリングのすぐ後に、パーマをかけようとすると、 パーマ液の成分が毛髪の中に入り込んで、髪の色が変色してしまう恐れがあります。パーマとヘアカラーの間は。 1週間〜10日は、開けたほうが良いです。もちろんパーマを先にかけるようにすること。ちなみにヘアマニキュアや一時染毛剤の場合、パーマのすぐ後に染めることは可能です。

その他

・生理中や出産後、顔剃りの直後などは、頭皮がいつもより敏感になっているのでかぶれやすい。

・腎臓病や血液疾患などの経験がある人は、身体の状態によっては負担をかけることがある。カラーリングをする前に、医師に相談した方が良い。

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