色彩検定への道(その2)

一級を受験しようと考えたのは、そのときでした。はっきり言って迷いました。 遊び感覚でやってみようと思った「色彩検定」 が、ここまで発展したのですから。だけど受験日まで、まだ四ヶ月以上もあるし、 なんとかなるかな?とも思いました。とりあえずは、本屋に行ってみて、一級が どんな内容なのか確認しました。

本を見たら難しかったです。二級とは全く比較にもなりません。 専門用語が多すぎ。三級や二級までは、ある程度フィーリングでなんとか なりそうな部分もありましたが、一級はそうはいきません。確実な知識と理解力 が必要です。付け焼刃も利きそうにありません。ちなみに2005年度の試験は、 改訂版のテキストで試験を行いますが、いっそう厳しくなった感じです。

インターネットで合格率を調べたら、10パーセント台であり、「これなら そうだよな。おまけに二次試験もあるのだから。」と思うようになりました。 本を見たとき、「こんなの俺にできるのだろうか。プロでも合格するのは、 相当難しいらしいし。」と悩みました。その日はそればっかり考えていて、 ほかの事は全然頭が回らなかったです。

さて試験内容を簡単に書くとこんな感じです。

色彩調和論:どの色とどの色が相性がいいか?どんな規則があるのか? これらを探求する学問を色彩調和論と言います。1級では 様々な学者の調和論を理解します。代表的な人物や論文の 内容を把握しなければなりません。

表色系:「色のものさし」、つまり色を記号化・数値化することによって、 正確に色を伝達・記録する体系を表色系といいます。3級(1種類)、2級 (2種類)でもやりますが、1級になると3級,2級の内容に加えて、 さらに5種類が追加されます。つまり合計8種類覚えないといけないのです。

色材:染料や顔料の分類や性質について、また染色法やプリント柄に ついても覚えます。この辺は高専の時の化学と重なる部分があったため、 とっつき易かったです。

色彩計画:色彩に関する計画の種類や手法を学びます。

色彩管理:色彩をどのように品質管理するかを学びます。

インテリア:インテリアにおける、カラーコーディネーションの流れや 注意点を学びます。

エクステリア:エクステリアにおける、カラーコーディネーションの流れや 注意点を学びます。

流行色史:ファッションと流行色の歴史を学ぶ。

服装史:服装のシルエットの変化について。西洋編と日本編が あります。 あまり試験には出ません。(まったく出ないことも多い。) いざとなったら、捨てるのも手です。ちなみに改訂版テキストでは、 服装史は削除されました。

一級には一次試験と二次試験の二つがあります。この内容は一次試験の範囲です。 一次試験はマークシート方式で、二次試験は記述式です。二次試験は、配色カードを 用いて、様々な配色を行います。配色カードの取り扱いに慣れることと、 配色用語をしっかり覚える必要があります。

服装史や流行色史があるところが、いかにもAFTらしいです。

8月

学校は一学期を終わり、ついに夏休みに入りました。研究室はかなり楽で、 時間も夏休みもたくさんありました。(院生になってもけっこうある。) 研究室が忙しくないのも、色彩を加速させた要因かもしれません。もしこれが あんな研究室やこんな研究室(スパルタ式な研究室)だったら、あんまり 進まなくて、3級どまりだったかもしれません。

夏休みに、一級の本を読んで勉強しまくりました。さらに色を理解を 深めるために、周りの人の服を見て、色や配色を分析しまくりました。

例)

「あの配色は、あの調和論に当てはめるとこうなる。」

「このトップスの色は、カラーカードだとこれに近い。仮にこの色を基準にして、 類似の配色にしたいなら、ボトムスはこの色相を使うといい。」

「もしこの人のネクタイの色の色相が紫に変われば、バランスが好いのに・・・。 俺だったら、ワイシャツをこの色相のして、明度が大きくして、彩度は下げて。」

この分析の影響はかなりでかいです。理論や言葉の丸暗記オンリーで 色彩検定を合格した方、ぜひこの分析を行ってみてください。また色彩の 専門知識がない方でも、このような分析は結構できます。でも最低限、 色の三属性とトーンは押さえておいたほうがいいでしょう。また「赤は 熱い色。青はクールなイメージ。」のように、色彩心理を知っていると、 分析の幅がぐっと広がります。イメージワードを基にした配色や分析が しやすいです。

せっかく検定を受けるのです。合格という肩書きだけで終わらせたくないものです。 逆に言えば、この手の検定は合格しなくても、意味があることがかなりあります。 つまり色の重要さに気づいて、ものすごく興味がわいたけど、検定は 合格できなかったケースです。丸暗記するだけで合格するよりは、 ずっといい状態です。なぜなら検定は何回も受けれるからです。合格してしまうと、 検定から離れてしまうから。

色彩とコミュニケーション

そういえば、新潟から函館に帰省するとき、電車の中で色彩検定の本を 読んでいたら、知らない方に声をかけられた事がありました。その後、 二時間くらい話しま点の青森まで、しゃべりました。俺の学校は 工学部で、なかなか色に興味を持っている学生がいなくて、孤独感 がありました。このようなことがあって、めちゃくちゃうれしか ったのを覚えています。色を学んで世界が広がったと 思ったときでした。

あと色を学んで大きく変わったことは、絵の見方が変わったことです。 今までは全然わけが分からなかった抽象画も、見るのが楽しみになりました。 色という観点で見ると、結構いろいろな発見ができます。また学校に 飾ってある絵も、素通りで終わっていましたが、色彩を知った後は注目 するようになりました。

9月〜10月

色彩検定の申し込みの締め切りは九月末です。 受験級は1級&2級の併願にしました。 またこの辺あたりから、二次試験の勉強も本格的にしました。 二次試験はカラーカードを使った試験が主流です。配色用語や 色相環について、完璧に理解しないと合格はつらいです。 色彩検定の1級の本にもちょっと載っていたので、さら っと勉強はしていました。

しかしここであることに気づいたのです。本に載っていた二次試験の 例は、一昔前の傾向であったのです。つまり最近の傾向にはそぐわない 内容なのです。(どんな傾向かいうと、かなり難しいのでここでは言わない。 1級経験者ならわかるだろう。)しかし一昔前の傾向(1996年以前)と最近の 傾向(1997年以後)は内容がかなり違います。もし気づかなかったらと思うと ぞっとします。このことは色彩掲示板で知りました。情報は重要だなと 思ったときです。

最近の傾向に基づいている問題集が「生涯出版社」から出ているのを知り、 ひたすら解きまくりました。カラーカードも貼りまくりました。

10月に入って実務訓練も始まり、新潟の大学から札幌に引っ越しました。

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