不合格者製造法

ここでは「反面教師風」に書いてみようと思います。 これはあくまでも俺の想像に過ぎません。実際にそうで あるかは分かりませんが、問題を見ると、そう考えざるを 得ない問題が結構あるのです。


さーて今回も色彩検定の1級があるぞ。なんとしてでも1級は受験者を 落とさねばならん。近頃はスクールがジャンジャンあり、 試験のテクニックが広まっているからな。俺たちは合格 率10%の伝統を保たないといけない。合格率が上がり すぎると、1級の権威が落ちるし、みんなからも「1級 の価値は下がった。」と思われてしまう。これはまずい!! なんとしてでも不合格者を作らなければならない。

そーだまずは、合格点を上昇させよう!! これは結構効果があるぞ。合格点は、全級約70%と宣 言したが、「約」という言葉をつけて言ったのが幸福 だったよ!!これによってボーダーラインを俺達が自在 に変えられ、合格率もある程度は操作できるからな。 東商の試験のように「合格ラインは70%です。」と断定しなくて 良かった・・・(ホッ)最も向こうはテキストの量が多す ぎて挑戦する人もあんまりいないからな、俺たちと違って。 だから東商さんは、1級の合格率が変動しても、そんなに問題 ないんだ。俺たちの検定は、文部省に認められたのは 良かったが、大衆化してしまい、かなり注目されている。 だからこそ権威を維持するのは、とっても重要なことなんだ。

しかしボーダーラインを上げるだけでは、まだまだ効 果が薄いし、限界もある。まさか「全問正解が合格です」 と言う訳には行かない。限界は8割くらいかな。 だからこそ、難しい問題を出さないといけない。

絶好の問題はひっかけ問題だ。しかしひっかけ問題 を作るには限界があるし、俺たちも大変だ。そこでだ、 試験時間が90分だから、混乱させる問題を作れば、 受験者の一部は冷静に問題に取り組めなくて、 ミスを誘うきっかけになり得る。混乱させる問題を 作ろう。どんな問題かというと、下のような問題だ。 これは2002年の試験で出した問題だ。(ただし問題の設定を ちょっと変えています。)あのときの混乱っぷりはすごかったなぁ。

問題:ファッションショーで、花柄の服を着ることになった。 そしてプロジューサーから、「花柄のテキスタイルのカラー コーディネートをして欲しい」との依頼があった。 「花」と「花の縁取り」と「葉」と「下地」の4色配色を 行うとする。下地の色が以下の色であるとき、次の問 いに答えなさい。(この下地の色はlt8に見えても、b8に見えてもおかしくない色であった。)

1.花の色は、下地の色と類似色相配色になるようにコーディネートせよ。 ただしトーンは低彩度領域の明清色調を使うこと。

2.花の縁取りの色は、下地の色と中差色相配色となるようにしなさい。 地色と彩度領域が同じで、該当する中差色相のうち最も低い明度であること。

さぁ問題を見ると以下の特徴がある。

・ペールトーンと言わずに、「低彩度領域の明清色調」と婉曲的に言っている。
・すべての問題が「下地の色」に関わっている。つまり「下地の色」を間違えると、 すべての問題が不正解になってしまう。いもづる式問題ともいえる。

そういもづる式問題は、最初の問題を間違えると、全部間違ってしまう 恐ろしいタイプの問題だ。(親亀こけたら皆こけたみたいなもの)

冷静さをなくすための伏線はそれだけではない。実は「下地の色」は lt6+とb6、どっちにみえてもおかしくないのだ。検定が終わった後、 掲示板で「いったいこの地の色は、どっちの色なの?」と議論に なったこともある。混乱作戦は大成功だったよ。俺たちは「どっちでもOK」という解答にした。 問題で冷静さを失ってしまい、他の問題もケアレスミスしてしまった人も少なくないだろう。 しかも受験者は、試験慣れしている(⇔答えがひとつしかないと思い込んでいる) から)、解答が複数あるっぽい問題は、混乱させるにはもってこいだ。 これも合格率を落とす作戦のひとつさ!!

こんな問題も出した。

カーマインを使った、同一トーンのトライアド配色を作りなさい。

ここでの決め手は、カーマインの色を、カラーカードに置き換えることだ。 カーマインのような慣用色名は、「カーマインはこの色だ」と絶対的に決まるものではない。 幅があるのが普通だ。検定のテキストにはカーマインの色見本は載せておいた。

ちなみにこの問題は、マンセル値や色見本はまったくない。ただ単に「カーマイン」 と書かれていただけだ。普通ならv2が正解だと思うが、v1,v3あたりを選んでもぜんぜん おかしくはない。マンセル値や色見本があれば、それを参考にPCCSのカラーカードに 置き換えればいいのだが、ただ単に「カーマイン」と書かれているだけでは、 どのカラーカードを選んだらいいか焦点がしぼりにくい。ちなみに俺たちは、 「vi,v2,v3」の三つを正解とした。さすがに「v2」だけだとは、 言えないからな。しかし試験中は、混乱してしまった人も結構いるだろう。 それが合格者を減らすひとつの作戦なんだけどね。慣用色名の問題は、みんな 結構混乱するから、俺たちにとってはうってつけの問題だ!!

あとはオストワルトシステムやDIN、NCSなどの表示を見て、カラーカードに 置き換える問題も、中々オツなものだ。もちろん明度や彩度を完全に暗記しないと 解けない問題を出すのは当然のこだ。単純な問題でなく、なるべく複雑な パズルみたいな問題を出すのがポイント。

あと見逃してはならないのが、物理や化学の問題を出すこと。受験者層を見れば、 これらの問題は絶好の問題であることが分かる。なんせ色彩検定の1級受験者の殆どは、 女性でOLや主婦,デザイナー,アパレル店員など、理系は不得意な連中が多い。 これらの問題を出すことも、けん制になるだろう。分光反射率を使った問題やCIE表色系 カルトクイズを出したことがある。

以上だ!!これが落とすためのポイントだ。

・ボーダーラインを上げる。
・引っ掛け問題を作る。
・いもづる式問題を作る。
・解答が複数あるっぽい問題を作り、受験者を混乱させる。
・明度責め問題は健在。なるべくパズルみたいな問題にする。
・理系よりの問題を作る。受験者層を見ればかなり有効。

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