1 バイキングとルーン

8世紀から12世紀にかけて、北ヨーロッパのスカンジナビア 地方に住んでいた人々を総称してバイキングと呼びます。 (バイキングという言葉自体、「海賊」と いう意味ではない。)バイキングがどのように呼ばれた かは,はっきり分かっていません。 彼らが住んでいるとこ ろは、今で言えば「ノルウェー、スウェーデン、デンマーク」 に当たります。この地域は白夜はあるし、オーロラはあるし 、とても寒い地域です。

フィヨルド(無数の細かい入 り江や海峡からなる地形のこと)があったため、造船技術は 必要でした、バイキングにとっては。バイキングの 造船技術がすごかったのはこの 地形によると思われます。

過酷の環境条件だったため、バイキングは、温暖で作 物が育つ土地を求めていました。そのため、いろいろな島や大 陸に侵略の手を伸ばしていたのです。(侵略した土地は、スコッ トランドやアイルランド、西ヨーロッパなど)

船乗りたちが、海に出るのは夏の間だけで 、4月がくると遠征成功の儀式を行います。 航海で重要なのは、「自分がどこにいるのか?」、「目 的地までどの方角に行けばいいのか?」などの位置関係です。

はじめは渡り鳥の飛行パターン からを見て、陸地を割り出していました。そのうち、渡り鳥ば かり頼るわけにもいかなくなりました。そこで 星(北極星)を見て現在地を確認 しました。しかし北欧には、白夜という厄介な現象があった のです。そのために星を見る事が出来ないときがありました。

このままではいけません。そこで彼らは、太陽の高度 を頼りにして航海したのです。「ハーフホイール」 という測定器具を使って、太陽の高度を測定していました。船長 や船員が、星や太陽の事を良く知っていたわけではなく、 ケントマント(賢者)と呼ばれる天 文や測定に精通している学者が同乗することもありました。

しかし太陽は、晴れている日しか現れません。曇りや 霧の日は、太陽が見えるまで、自分の船がどう流されたか見 極める、経験や直感が必要なときもありました。

バイキングの階層は大きく分けて 三つあります。領主,族長(上流階級)、農民,職 人(中流階級)、奴隷(下層階級)です。農民や職人は、 ボンデ(自由人)とも呼ばれ、 武器の所有権や参政権も持っています。奴隷も努力次第 (働き次第)によっては自由民に昇格する事が出来ました。

バイキングの社会では女性の権利がしっかりと確立 されていました。主婦は家の中では主役で、家を守って いました。男達は、海に出掛けて中々もどらない事があ ります、このときに活躍するのが主婦でした。

バイキングの葬式について話すと、死体といけにえ 、副葬品(死んだ人にとって大切な宝物。例:剣、首飾り etc)を船に乗せて、火をつけて海に出すというもので ありました。これは、もちろん金持ちの人がやった 方法です。

北欧神話でもバルドルが死んだとき、このような方 法で葬式を行いました。一般人は、船の形を象った墓に 、死体や埋葬品を埋めていたようです。このような墓を 「船墓」と呼びます。

バイキングは、略奪者,侵略者の代名詞になりま した。それほど、恐れられていた存在なのです。バイキ ングが海賊行為を可能にしたのは、彼らの船の性能が、 すごかったためです。ロングシッ プと呼ばれるバイキング船でありますが、急襲す るには最高の船でした。ロングシップは船の底が浅く作ら れていたので、水深が浅いところでも入り込みやすく、これ により襲撃や退却が迅速に出来たのです。(ロングシップは 喫水が小さく、浅瀬の侵入を可能にした。)

ロングシップの他に、クナル と呼ばれるバイキング船もありました。ロングシップとは 対称的で容積が大きく、貿易や長旅に使われていました。

バイキングの戦士の中で最も恐れられたのは、 狂戦士(バーサーカー)でし た。バーサーカーは英語読みで、ベルセルクはドイツ 語読みです。バーサーカーは、猛毒のベニテングタ ケを常食していて、いつも幻覚を見ていたらしいで す。幻覚作用によって、何も恐れないようになるら しいです。バイキングは彼らを尊敬していたようで す。(でも友達には、したくないな。)

バイキングは、ルーン文字というものを使って いました。彼らの大切なものは、オーディンやトール などの北欧神話に出てくる神様でした。(ルーンは英 語読み。ゴート語ではルナ。ドイツ語読みではル ーネ)

ルーン文字は、紀元前2世紀から14(16?)世紀まで使われていました。確証があるのは、4世紀頃からだといわれています。公にルーン文字が使われていたのは、1世紀から12世紀までだったようです。大体1000年ちょっとほど使われた事になります。14〜16世紀は、極々一部の地域で使われていたようです。

1000年間のうち前半の間、すなわち500年間は、ほとんど文字の形を変えていません。それを「エルダーフサルク」(ファソルク)と呼ばれる文字のセットで、全部で24個から成り立っています。後半の500年でルーン文字は地域によっていろいろな姿に変形しました。

変形したルーン文字のセットを総称して「ヤンガーフサルク」と言います。ヤンガーフサルクはいろいろな種類があります。エルダーフサルクは古いタイプのルーン文字で、ヤンガーフサルク新しいタイプのルーン文字です。(本当はもっと厳密な分類の仕方はあるがここでは省略。)

ルーン占いでは、エルダーフサルクを扱います。エルダーフサルクは、3つのグループに分かれています。それぞれ、フレイ系、ヘイムダル系、チュール系と言います。表にまとめると下のようになります。

英語のアルファベットでかかれているのは、それぞれのルーン文字の発音を表しています。ほぼローマ字読みです。

フレイ系(フレイア系)

  feoh  ur   thorn   ansur   rad   ken   geofu  wynn
ヘイムダル系

  hagall  nied  is  jara  yr   peorth  eolh   sigel
チュール系

 tir   beorc  eoh  mann  lagu  ing   othel  daeg

実際の占いには、WILD(ブランクルーン)を加えた25個で占います。ブランクの意味は、「空」「何もない」です。したがってブランクルーンは、何も書かれていないルーンです。なおブランクルーンは、ルーン占いが作られて、しばらく後に付け加えられたものです。一番最初は ブランクルーンを除く24文字で占っていました。

ちなみに3と8は、北欧民族にとって神聖な数とされていました。3×8の数式の中で、宇宙のすべてが内包されていると考えられていたそうです。

いかがでしょう?バイキングは決して野蛮なところだけではないという事が理解できましたか?最初のイメージとは180度いや360度変わった人もいるかもしれません。

次の章ではバイキングが信仰していた神について書きます。(ヴァイキング以前の民族も信じていた。)あわせて、神とルーン文字との関係も書きます。次の章で、バイキングのイメージがもっと変わると思います。

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