15 花嫁になったトール

トールの神話は巨人を倒す話が多いです。北欧神話上では、オーディンが主神になっているが、ヴァイキングにとってはトールの方が信仰が厚かったと思われます。

その理由として、トールはヴァイキングの理想像とされていたから。ウプサラの神殿には、オーディンとトールとフレイの神像があります。ポジションは、センターにトール像,両脇にオーディン像とフレイ像が立っています。(なんか、野球みたいだな)

今回の話は、なんとトールが・・・・。ごつい体のトールが・・・・すごいことをします。北欧神話をちょっとでも知っている人にとって、この話はあまりにも有名です。


「ああああ〜〜〜。俺のミョルニルが、な〜〜い。どこにあるんだ〜。」トールが目が醒めたとき、大変な事態に気づいた。

なんとなんと、彼の宝であるミョルニルが盗まれたのだ。これは一大事。ミョルニルといったら、どんな敵もこてんぱんにやっつける強力なハンマー。これがなくなったら戦力ダウンは間違いない。巨人なんかが襲ってきたら、苦しい戦いになってしまう。

「盗んだのは巨人だな。」とトールの怒りが増した。なんとしても、取り返さなくてはと彼は心の中で誓ったのだ。

「ロキ、大変だ!!!俺のハンマーが盗まれた。」トールは頭がいいロキ(別名トリックスター)にミョルニルの事を相談した。「う〜〜〜んどうしよう。」と二人は悩んだ。しばらく時間がたったあと、ロキが言った、「フレイヤのところに行ってみよう。」と。

「フレイヤ、大変だ。ハンマーが盗まれてしまったんだ。あなたの羽衣を貸してください。お願いします。」とトールとロキはフレイヤに頼んだ。彼女は、「ええ良いわよ。ミョルニルが巨人の手に渡ったら大変だしね。」とOKの返事をした。

ロキは、フレイヤの羽衣を使って巨人の国(ヨーツンヘイム)に行った。ロキがたずねたのは、巨人の王様スリュムの館。ロキはスリュムに会うとすぐに、、「お前がハンマーを盗んだのか。」と単刀直入に言った。(ロキと巨人とは結構仲が良いらしい。でも何でこんな事をしたのか、北欧神話とくにロキとヘイムダルは謎に包まれている。)

「その通りだ。俺が地下8メートルの奥に隠したのさ。フレイヤをお嫁さんにくれなきゃ返さないよ。」とスリュムは、言った。(なななんて、単純な。)ロキはこれを聞いて、すぐに神々に報告した。駄目元で、フレイヤにスリュムの花嫁にならないかと頼んだが・・・。

 「巨人の花嫁になるなんてぇぇぇ=!!!!!!!冗談じゃないわ!!!!」 とフレイヤはものすごく大激怒。彼女の怒りは、壁が震え、長イスは揺れ・・・・・。鼻息が荒くなり、彼女の宝物のブリージングの首飾りが弾けとんだ・・・・・。やっぱり駄目だったか・・・

アースガルドの神が集まって、激しい議論が繰り広げられる。しかし、中々良い意見が出ない。アース神族のひとりヘイムダルが、静かに口を開き始めた。

「そうだ、トールを花嫁姿に変装させるんですよ。美しい宝石をいっぱいつけて、花嫁頭巾をかぶせて。ウエディングドレスを着せて・・・もちろんフレイヤのブリージングの首飾りをつけて。美しいトールにするんだ。」

ヘイムダルの言葉に、神々は一瞬静かになった。そのあと、ヘイムダルとトール以外大爆笑した!!!わ〜〜はっはっは。ぎゃあはっはっは。 腹を抱えて転げ落ちる者もいた。トールは青ざめている様子だ。ヘイムダルは、真面目な顔をして話を続けた。

「とにかくトールをきれいな花嫁にするんです。そして彼をフレイヤとしてスリュムのもとに送り込み、スキを狙ってハンマーを取り返すんだ。」

トールは雷のような声で、怒った。

「ぶっ殺すぞ!!俺がスカートをはいて、花嫁姿にするだと!?そんな女みたいなこと。俺は笑われてしまうじゃないか。」どうも不服な様子だ。(あたりまえだ。こっちだって見たくないぞ。)

ロキやヘイムダルはこう説得した。

「じゃあ、ミョルニルはずっと巨人のものになるわけだ。巨人がそれを使って攻めてきたら、大ピンチになるぞ。」

こう言われたら、トールも文句が言えなかった。渋々やる事になったのだ。みんな、よってたかってトールを美しい花嫁姿にした。きれいなブローチ、宝石に。白いウエディングドレスをくるんで、フレイヤの首飾りをつけて・・・キラキラしたラメがトールをまぶしく照らす。もちろん自慢の髭もジョリジョリそった。

みんなの努力の結果?、トールはこの世のものとは思えないほどのウルトラミラクルベッピンな花嫁 になった。そして侍女に変装したのはロキだ。(おいおい、見たくないぞ。)彼らは結構女になりきっている。

スリュムはフレイヤがくると分かったやいなや、パーティー会場を作った。ご馳走もたっぷり用意した。そして、彼は興奮したのだ。「フレイヤちゃんが。フレイヤちゃんが。もうすぐやってくる。あああ私のハニーが・・・。」

フレイヤと侍女(もっちろん、トールとロキね)は巨人の国に向かい、スリュムのパーティー会場に座った。素晴らしいほどのワインや牛の丸焼き。鮭を使った料理が並んでいる。フレイヤと侍女は宴会の席についた。しかし、フレイヤはものすごく腹が減っていた。

 フレイヤ(トール)は、牛を丸ごと1頭とワイン大瓶3つと鮭8匹、をひとりで平らげた。スリュムは驚いた。「こんなに大食いの花嫁は初めてだ。」

「フレイヤ様は、あなたの事が好きで好きでたまらなくて8日のあいだ一口も『もの』を口にしなかったんですよ。」侍女はフォローした。

「おおお〜〜そうだったのか。そうだったのか。そんなに俺のことが好きで☆」スリュムは、大変上機嫌になった。そして、フレイヤにキスしようとしたら、スリュムはまた驚いた。「なんて鋭い目をしているんだ、フレイヤは。真っ赤な目をしているじゃないか。」

「フレイヤ様は、あなたの事が好きで好きでたまらなくて8日のあいだ一睡も出来なかったんですよ。」侍女はまたフォローした。

侍女の言葉に有頂天になったスリュムは召使に命令した。「ミョルニルを持って来い。花嫁の膝元において結婚を祝おう。さあ。」スリュム以外は、怪しいなと薄々警戒していたが、スリュムの命令には逆らえない。ハンマーが運び込まれ、花嫁の膝元に置いた。花嫁(トール)は心の中で笑った。

そのときだ!!トール(花嫁)は、花嫁衣裳を脱ぎ捨てた。 威嚇するようにスリュムをにらみ、あっという間に倒した。他の巨人もパニック状態になった。そのときはもう遅かった。その場にいた巨人は全部トールに倒された。そしてすぐにトールとロキはアースガルドに戻った。こうして、ミョルニルを取り返したのだ。


このエピソードは、北欧神話をある程度知っている人ならあまりにも有名だと思います。また、このエピソードで出てくる食べ物は、リンゴ,鮭,ワイン,牛など北海道名物(寒い地方の特産物)が多いです。こういうところからも北欧の民族(バイキング)の食生活などが読み取れます。

この話は、FF7のクラウドが女装して,コルネオの館に侵入する話に似ています。したがってヘイムダルとロキの役割を、エアリスが担っていることになります。(知らない人は気にしないでください。)

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