11 ロキと小人の賭け

オーディンのグングニルの槍、トールのミョルニル、フレイのスギッドブラーニルという船、黄金の腕輪ドラウプニル、これらは小人が作ったものである。いずれも重要なアイテムで、これが無ければ神々の武勇伝は少なくなるであろう。しかし、このアイテムはロキが間接的に作ったようなものであった。

或る日、ロキは気まぐれから、トールの妻であるシフの髪の毛を、彼女が寝ている間にジョキジョキ切った。シフが起きたとたん、あまりのショックで泣いてしまった。(そりゃあ、当たり前だな)シフはトールに泣きついた。シフの髪は黄金のように美しく、農業の神として崇められたらしい。(黄金の髪→麦の穂)

トールはロキが犯人だと分かると、「てめぇの骨を一本残らず粉砕するぞ。」と脅した。(オーディンとトールとは脅しが得意だ。)これはやばいと思ったロキは、シフのために黄金の髪を見つけると誓った。もちろん髪は、ちゃんと伸びるものでなければならない。そんなのできるのかと思う読者も居るかもしれないが、それができるのである。(私も驚いた。)

ロキは小人の世界ニダヴェリールに向かい、イーヴァルディの息子たちの住処を訪れた。一生懸命頼み込んだ結果、ロキは三つの宝物をゲットした。彼らが作り上げたのは黄金の髪の毛で、ちゃんと頭に生えるように魔法がかかっていた。魔法の炉は素晴らしい温度で、金も溶かすことができた。イーヴァルディの息子たちは、火がまだ残っていたので、黄金の髪の毛の他に、魔法の船スキッドブラドニールと槍グングニルを作った。

ロキはトールの要求を満たしただけでなく、素晴らしい宝物をゲットできた。これだけでもスゴイ。しかしロキは、こんなことで満足するような神ではない。

「こんなにEASYに宝物がもらえるなんて面白みがないなぁ。」

ロキは、ブロックとエイトという小人たちの住処に向かった。そしてロキは、ブロックとエイトに三つの宝物を見せびらかしてこう言った。―――お前らにこんな素晴らしい宝物を作れるかな?もし作れたら、おれの頭をやるよ。

ロキは小人たちに挑発をふっかけた。プライドの高い小人たちは、その挑戦を受けた。ブロックとエイトのコンビは、作品作りに取り掛かった。彼らの技術は素晴らしく、この様子を見てロキはやばいと思った。そこでロキはアブに変身して、ブロックの手をさした。しかし、ブロックはそんなの無視して作業を続けた。その結果、黄金のイノシシを作り出した。

次に、彼らは黄金を生み出す腕輪ドラウプニルを作り出した。この時もアブはブロックの首を刺して邪魔をしたのだが、殆ど意味がなかった。

第三に、彼らはミョルニルを作り出した。しかし、この作業の時にロキは、ブロックの目を刺した。血が流れて目が見えなくなったため、ブロックは手を止めてしまった。ふいごが止まって、火の勢いが弱まった分、ミョルニルは柄が短くなってしまった。宝物が完成し、品評会のために、ブロックとロキはアースガルドに行った。

いよいよ、品評会が始まる。品評会というよりは、ロキVSブロックの勝負だ。審査員はオーディンとトール、フレイの三人、三人の判決は絶対に従うとロキとブロックは誓った。

まずはロキの出番だ。ロキはオーディンにグングニルの槍を、トールに黄金の髪の毛を、フレイにスキッドブラーニルの船をやって、品々の性能を説明した。

グングニルは,狙った相手に100%命中し、黄金の髪の毛は,普通の髪の毛のように伸びるし、スキッドブラーニルは,使わないときハンカチのように折りたためる上に、帆を張り次第,常に順風を受けると説明した。

次はブロックの出番だ。ブロックはオーディンにドラウプニルの腕輪を、トールにミョルニルを、フレイに黄金のイノシシをやって、品々の性能を説明した。

ドラウプニルの腕輪は,九夜ごとに全く同じ腕輪を八個生み出し、ミョルニルは,命中率100%で狙ったものを打ち砕くし、黄金のイノシシは,空中でも海でも馬より早く走れる上に、たてがみは光り輝いて暗い場所でも明るく出来ると説明した。 しかもミョルニルは攻撃力が高く、使わないときはコンパクトになって、トールに装備させると鬼に金棒であった。(ただ、柄がちょっと短かった。これはもちろんロキの仕業。)

神々はミョルニルに目が留まり、三人ともブロックの方が素晴らしいと言った。ロキは負けてしまった。ロキは頭の代わりに弁償金を払いたいといったが、もちろん小人の返事はNO。約束の物をもらうと強く言った。

しかし、いざ切られそうになると、「頭はやると約束したが、首を切ってはいけない」と言い逃れをした。ロキは、両唇を穴だらけにされることで許された。結局、神々はロキのいたずらによって素晴らしい宝を手に入れた。

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