2 愚者、魔術師、女教皇

■ 愚者:ロキ

まず愚者からです。これはズバリロキです。いや俺はそう思います。愚者のカードの順番は不定です。最初の場合もあるし、最後の場合もあるし、カードの種類によっては中間にある場合もあります。またカードの意味も、「目的を持つ、愚考」などの意味があるが、ハッキリしないことも多いです。

愚者のカードは他のカードに比べて、不定的要素が強いです。ルーン占いで言えば、ブランクルーンに当たります。ブランクルーンは、それ自体の意味は薄いが、周りのルーンによって色々な解釈をすることができます。 正位置、逆位置の意味もハッキリしていません。

愚者自体の意味も、他のカードに比べて薄いので、占いにこれが出ると物凄く厄介です。いや意味が薄いというより、愚者自体をどう解釈するかが難しいのかも知れません。愚者は単なる愚か者ではありません。見方を変えれば賢者にもなりえます。

特に一枚占いでこのカードが出たら、私なら即カードを追加します。周りのカードを見ながら解釈します。

さてこれを北欧神話のキャラに当てはめると、ロキになると思います。ロキは性格が良いのか悪いのかハッキリしていない神です。悪戯もしょっちゅうするが、神々にとってプラスになることもします。例えば、フレイヤをダシに、巨人にアースガルドの城壁を修復させたり、グングニルやミョルニル、ドラウプニルなど神々にとって重要なアイテムを、小人に作らせたりなど。 さまざまな苦難を、彼の機転で乗り切っています。しかしバルドル殺害の件では、神々も怒って、彼を地下深くに縛り付けてしまいます。

このようにロキは、良い面もあるし悪い面もあります。どちらかと言えば、前半ロキは良い面が目立ち、後半ロキは悪い面が目立ちます。どっちが本性なのか、さっぱりしません。

キリスト教には善悪二元論がありますが、北欧神話は善と悪がハッキリしていません。むしろ、ものすごく曖昧です。北欧神話で、「善神」「悪神」と言う言葉を使うのは、禁句だと思います。善悪をハッキリさせてはいけないのです。

善にだって悪の面があるかもしれないし、悪にだって善の面があるかもしれません。また善悪の基準は人によっても違います。それを無理やりハッキリさせると、心がゆがんでしまう恐れがあるのです。

ロキのことを「悪神」と書いている本やサイトを見かけるが、それは間違いだと思います。北欧神話で善悪をハッキリさせること自体間違っています。私なら即ぶち切れですね。そういうサイトや本を見ると、「受け売りじゃないの」とか「北欧神話、ろくに読んでないだろ。」とか、管理人を疑います。

ロキは不定的要素が強いし、良い奴なのか悪い奴なのかハッキリしないので、愚者のカードがぴったりだと思いました。

■ 魔術師:スルト

このカードは難しく、人によって意見が分かれるところです。ロキorスルトの二択です。いや人によっては、オーディンやヘイムダルをプッシュする人も居るかもしれません。

魔術師は大きく分けて二つの意味があります。「頭が良い」と「はじまり」です。これらを分けて説明します。

(@) 頭が良い

このカードは頭が良いという意味があります。知識と言うより、知恵の要素が強いです。「女教皇」のカードは、知識の要素が強いです。ロキは知恵に関してはピカイチです。

前述したように、ロキは物凄く頭の良い神です。神々が戸惑っているときに、知恵を貸したりしますから。あとロキは口もうまいです。セールスマンになれば、かなり良い成績をあげれるかもしれません。

オーディンやヘイムダルを選ぶ人も居るかもしれません。しかしヘイムダルはともかく、オーディンは、知恵よりも知識の面が強いと思います。そうするとオーディンは、「魔術師」よりも、次に出てくる「女教皇」のカードのほうがふさわしいです。 オーディンとヘイムダルの二択なら、ヘイムダルを選びます。ヘイムダルは「トール女装プロジェクト」を考え出した神だからね・・・。

(A) 物事の始まり

もう一つは物事の始まりです。1と言う数字は最初の数でもあり、スタートを意味することもしばしばあります。北欧神話のスタートは「天地創造」です。北欧神話の世界は、火と氷の衝突によって始まりました。ムスペルヘイムの炎とニブルヘイムの氷が衝突して、巨人ユミルが生まれました。

ここで重要なのは、ムスペルヘイムに巨人スルトが居たことです。スルトはどのように生まれたかは、まったく分っていません。いつのまにか居たのです。炎を散らしたのも彼です。ということは、彼が居なかったら、北欧神話の世界はできなかったんです。(別のプロセスで世界ができたかもしれないが・・・)

少なくても火が無ければ世界が動くことは無かったから、スルトが根本的な創造者と言っても良いと思います。

こう考えると、魔術師にふさわしいのは彼であると考えられます。魔術師のカードには、テーブルの上に金貨(地)、棒(火)、聖杯(水)、剣(風)が置かれています。この四道具は、四元素を表します。

頭が良いという意味のカードは他にもたくさんあるから、個人的には後者をプッシュ。

■ 女教皇:オーディン

さて「女教皇」です。魔術師は知恵の要素が強いが、女教皇は知識の要素が強いです。となると、考えられるのはオーディンです。女教皇は女性なので、グロアやフレイヤを選ぶ人も居るかもしれません。でもグロアはマニアックですしね・・・。フレイヤは確かにエイリャンヘルに魔法を教える面があるが、彼女にはもっとふさわしいカードがあります。(恋人)

オーディンは色々な面があります。武術や魔法も得意だし、女好きだったり、意地が悪かったり、色々な面があります。彼は何を考えているかさっぱり分りません。北欧神話自体そうかもしれないが・・・。

女教皇のキーワードは「知識」です。このカードが出ると、「知識欲がある」「向学心」「研究」など、学問的意味があります。また「よく考える」「精神的」といった意味もあります。恋愛ではお堅いイメージがあって、あまり良いカードではありませんが、恋愛以外ではかなり良いカードになります。逆位置は「表面だけ」「飽きっぽい」など。

オーディンは知識欲が強いです。ただ彼はちょっとやりすぎのような気もしますが。 ミーミルの泉を飲むために、片目をえぐるのはすごいな・・・。あとルーンを得るために・・・。彼の叡智は多くの犠牲が払われています。こうしてみると、このカードは執着心が強いとも読めますね。

白い柱と黒い柱は、二極を表しています。二面性(理知と衝動)を持っているオーディンがふさわしいでしょう。

また女教皇は、巫女の面も持っています。(他に、女司祭長と呼ばれることもある。)オーディンも巫女の側面があります。呪術的、魔法的な面があります。「ロキの口論」によると、

ロキ「サームス島であんたが魔法を使ったと人々が噂していますぜ。巫女みたいに呪文を使い、魔女の姿をして人間たちのところにあんただっていったじゃないか。男らしくないと思ったものさ。」

と書かれているが、これはオーディンが魔法の面を持っていることを示唆しています。「男は剣、女は魔法。魔法を使うなんて男らしくない。」という考えがあったようです。

あっ、それにこのカードの意味で、俺の性格分析をしないように。確かに俺も「知識欲が強い」という面を持っているかもしれないが・・・。

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